【12⽉31⽇ Peopleʼs Daily】中国商務部は先ごろ、全国12か所のモデルスマート商業地および16か所のモデルスマート商業施設を発表した。取り組みとしては、商業地ビッグデータの構築と利用、スマート化運営の推進、商業施設のオンラインとオフラインの融合、クラウド販売モデルの導入などを進める。

 スマート商業地では、情報技術を活用して買い物客、商業企業、運営機関、政府部門向けのスマート応用サービス体系を構築し、データ取得、消費サービス、交通誘導、情報提供、モバイル決済、物流配送、公共サービス、運営管理などを行う。

 広州市(Guangzhou)を代表する商業地の一つの北京路は、休日の人出が延べ60万人以上に達する。そのため、駐車場所探しは市民にとって頭の痛い問題だった。しかし今では情報技術を用いた統一的な手配によって地域の駐車場を統括運営している。車でやって来た人はスマートフォンのアプリで駐車場所を探すことで、多くの時間を節約することができる。駐車可能な場所を確実に見つけられるので、地域の駐車場所の利用率は90%以上に高まった。

 上海市の南京西路にある百貨店の新世界城の呉勝軍(Wu Shengjun)副社長は、「商業施設は販促活動を多く行ってきました。でも、お客様のいる場所は分かりませんでした。デジタル管理はこの悩みを解決しました」と述べた。

 新世界城はデジタル化管理システムを開発することで、500社以上のサプライヤーの20万点以上の商品情報をすべて集約し、在庫や客の消費行動などのデータをリアルタイムで表示することで、モールがより正確に商品構造を調整し、顧客ニーズを満たすことを支援している。

 多くの商業地が人工知能(AI)やバーチャルリアリティー(VR)などの技術を利用して、双方向型で没入型のスマート消費シーンを構築している。未来感とファッション性あふれる街が消費者に新しい体験をもたらし、商業地経済の発展を促進している。

 2021年6月には安徽省(Anhui)合肥市(Hefei)淮河路に同省初の裸眼3D大型スクリーン「廬陽の窓」が登場した。大海原を席巻する金色の竜が踊るなど、鮮やかでリアルな3D立体映像が次々に登場する。多くの観光客が足を止めて写真を撮る。旧暦の大みそかには、合肥市民45万人以上が「廬陽の窓」周辺に足を運び春節(旧正月、Lunar New Year)の年越しを楽しんだ。

 南京市の蘇寧易購(Suning)新街口店は従来型店舗を一新して、新たな双方向体験モデルを構築し、ファッションの要素も追加した。改造前と比べて月平均来店客数は110%増加したという。

 専門家は、「未来のスマート商業地は人びとの利便性と利益を重視し、商業地の各種販売者のニーズに統一的に配慮して、情報技術を総合的に活用し、デジタル化による商業地への能力付与を行う。そのことでショッピング体験を豊かにして、商業地のサービス管理水準を高め、多元化した消費ニーズをよりよく満たすことになる」と指摘した。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News