【12月12日 CGTN Japanese】中国中央部に位置する河南省の高速道路で1日、運転手の劉輝さんが車を運転中に心筋梗塞を起こしました。幸いなことに、車に乗っていた8人の乗客全員が医療関係者で、運転手の些細な異常に気が付き、発作の前に速やかに車を止めさせ、「黄金の4分間」で専門的な救命を行いました。

 55歳の劉さんは同日、飛行機を降りたばかりの河南省商丘市の乗客8人を迎え、高速道路に乗りました。車が30分走った時、劉さんは体全体にほてりを感じて、とても気分が悪くなり、サービスエリアまで運転するのも待てずに、路肩で数分間休憩しました。再び車に乗ってからは、劉さんはコートを脱いで運転し続けました。この時、運転席の斜め後ろに座っていた郭静医師が運転手の顔色が悪いことに気づき、胸が苦しくないか、痛くないかと尋ねたところ、そうだと答えが返ってきたため、郭さんは、心筋梗塞の前兆ではないかと疑いました。運転手を見ると、顔が青ざめて汗だくになっていたため、次のサービスエリアに着くのを待たずに、すぐに路肩に停車するように指示しました。運転手の今の状況ではこれ以上待つことはできないと判断したのです。運転手は車のドアを開けて降りたとたんに倒れ込んでしまいました。

 幸い、車に乗っていた8人の乗客は全員医療従事者で、運転手が倒れたのを見て、急いで車から降りると、路肩で緊急救命を始めました。8人は手分けをして心肺蘇生や人工呼吸を行い、電話で救急車を呼びました。11時33分に運転手が倒れ込んでから11時37分に心拍が回復するまでわずか4分で、運転手は徐々に意識が戻り始めましたが、皆は気を緩めることなく、運転手のバイタルサインを注意深く観察しながら救急車が来るのを待ちました。

 約30分後に高速道路交通警察と救急車が相次いで現場に駆けつけました。運転手の劉さんは近くの開封市尉氏県人民病院に運ばれ、検査の結果、心臓の梗塞面積は100%に達していたことが分かりました。しかし、発見がタイムリーで、適切に救命作業が行われたため、劉さんは心臓のステント手術を受け、バイタルサインは安定しています。心筋梗塞患者の救命に最も適した時間は卒倒後の4分間で、医学的には「黄金の4分」と呼ばれています。劉さんの病状は重篤でしたが、幸いにも乗客として乗っていたプロの医療スタッフが貴重な4分間を勝ち取りました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News