【12月12日 AFP】ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は11日、米首都ワシントンの国防大学(National Defense University)で米軍将校らを前に演説した。ロシアの侵攻を受ける自国への軍事支援の継続を訴え、支援が滞れば、欧州の民主主義の破壊を狙うロシア大統領府(クレムリン、Kremlin)の「夢」を実現させることになると警告した。

 ゼレンスキー氏は、ウクライナは祖国の存亡をかけて戦っているだけでなく、ソ連崩壊後に欧州全域で花開いた自由を守るために戦っていると主張。米国の支援が途絶えればウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領を利することになるとし、追加支援に異議を唱えている共和党議員に翻意を促した。

「(ウクライナへの)支援が停滞すれば彼ら(ロシア)の夢が実現することになる」「プーチン大統領は敗北しなければならない」と訴えた。

 ホワイトハウス(White House)はウクライナとイスラエルへの緊急支援を盛り込んだ1060億ドル(約15兆4000億円)規模の追加予算を議会に要求したが、共和党は先週、承認を拒否。同党の保守強硬派は、メキシコとの国境警備強化を政府と民主党がのまない限り、同意できないとしている。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領を支持する共和党のJ・D・バンス(JD Vance)上院議員は10日、「わが国にとって一番の利益は、ウクライナがロシアに領土の一部を割譲せざるを得なくなる事態を受け入れ、この戦争を終結させることだ」と発言した。(c)AFP