【12月8日 AFP】米議会でウクライナ軍事支援予算の承認が滞る中、ロシア大統領府(クレムリン、Kremlin)は7日、米議員らが予算成立を阻止し続けることを期待すると述べた。

 米上院共和党は、求めていた移民制度改革が予算案に盛り込まれないことに難色を示し、ウクライナとイスラエルに対する総額1060億ドル(約15兆3900億円)の支援予算を阻止した。

 クレムリンのドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)報道官は会見で、「米議員の中に冷静な人物が十分残っていることが期待される」と述べた。

 さらに、米ホワイトハウス(White House)が米上院議員を「懐柔」し、「米国民から集めた税金を、ウクライナ戦争という炉」で焼き尽くそうとしていると非難した。

 クレムリンは、米国がウクライナへの軍事支援をやめることが、和平交渉の前提条件だと主張している。

 ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は、西側諸国の支援がなければウクライナ軍は1週間で崩壊するとの見方を示している。

 ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領はウクライナ支援で世界を主導しているが、議会では共和党議員の間でウクライナ支持が弱まっている。バイデン政権は、議会が予算を承認しなければ、ウクライナ軍事支援予算が数週間以内に枯渇すると警告している。(c)AFP