【11月22日 AFP】国連総会(UN General Assembly)は21日、来年のパリ五輪・パラリンピックの時期に伝統の「五輪休戦」を行う決議案を採択した。ロシアはスポーツへの「政治介入」だと非難している。

 決議案は「加盟各国が五輪休戦を個々に、また集団的に順守する」ことを促すもので、休戦は五輪開幕の7日前からパラリンピック閉幕の7日後まで実施される。他に「五輪休戦が世界中で実施される」ため協力することも求めている。

 決議案は五輪開催国のフランスが提出し、これまでは夏季五輪と冬季五輪前に2年おきに全会一致で採択されてきたが、今回はロシアが「政治的影響を受けず公平にスポーツへ関われること」という文言を盛り込むべきだと主張して投票を求めた。その結果、同国とシリアが棄権し、賛成118、反対ゼロで採択された。

 国際オリンピック委員会(IOC)は、2022年2月にウクライナへ侵攻したロシアが、北京冬季五輪前に採択された五輪休戦に違反したと考えている。一方で、ロシア代表のパリ五輪出場を認めるかはまだ判断していない。

 ロシアは採択を「スポーツへの政治介入という危険な流れ」だと非難したが、IOCのトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長は投票後、決議案は「選手を差別するものでは決してなく、五輪憲章の規則によって守るものだ」と反論した。(c)AFP