【11⽉24⽇ Peopleʼs Daily】「中欧班列」とは「一帯一路(Belt and Road)」構想に伴って設けられた、中国と欧州を結ぶ貨物列車だ。中でも毎年秋に開催される中国国際輸入博覧会(輸入博、CIIE)の出展品を輸送する中欧班列は「進博号」と呼ばれる。

 進博号が初めて運行されたのは2021年だった。今年は3本を運行する計画が立てられ、輸送量は210TEUで、貨物の価額は累計3億5000万元 (約72億5389万円)超と見積もられた。

 中欧班列は、すでに欧州の25の国と地域の217都市に通じており、9月末までに累計7万8000本が運行された。

 中欧の協力は深まり続けており、中欧班列の運行本数は増加している。ドイツのデュイスブルク、ハンブルク、ポーランドのマワシェビチェなどでは、欧州の化学製品、機械設備、粉ミルク、化粧品などが中欧班列に積み込まれて運ばれて行く。

 今年の進博号の「一番列車」は9月21日、総額1600万ユーロ(約26億円)以上の輸入博出展品を満載してデュイスブルクを出発した。貨物の中には、仏ロレアル(L'Oreal)の約270種類の出展品があった。ロレアル北アジアの社長で同社中国のファブリス・メガルバン(Fabrice Megarbane)最高経営責任者(CEO)は「以前は途中で積み替えねば上海市まで運べませんでした。今では直行で、通関も非常に速くなりました」と述べた。

 ポルトガルの家庭用清掃用品ブランドであるモーター(Mootaa)の周俊(Zhou Jun)大中華圏総裁は「弊社が中欧班列を選択した第一の理由は輸送時間の強みです。海上輸送と比べて輸送時間が半分なので、サプライチェーンを迅速に構築し、在庫の回転効率を高め、運営コストを節約することができます」と述べた。

 鉄道輸送には「環境にやさしい」特長もある。ドイツ鉄道(Deutsche Bahn)系列のDBカーゴ・トランスアジアの総支配人のフランク・シュルツェ(Frank Schulze)氏は「空輸と比べて95%、トラックと比べて80%の二酸化炭素排出量を削減できます」と説明した。

 2023年初の進博号が新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)の阿拉山口通関所に到達したのは10月6日だった。通関所では24時間を通じての優先取り扱い体制が構築されており、税関や鉄道などの部門は進博号が到着すると直ちに作業を開始した。入国手続きは円滑かつ迅速だった。

 列車が上海の駅に到着すると、中欧班列の申告専用窓口が直ちに業務を開始した。ペーパーレス通関で、貨物の検査は迅速だ。

 中欧班列の復路の列車は中国の良質な商品を輸送する。シュルツェ氏は「中欧班列の成績は素晴らしい。路線もますます増え、積み込む商品は自動車、自動車部品、電子製品など、絶えず豊富になっています。ドイツと中国の貿易を促進し、工業などでの協力を強化するために非常に重要な意義があります」と説明した。

 中欧班列関連の仕事のために上海ですでに5年間暮らしているシュルツェ氏は、「上海は私の第二の故郷です。『進博号』で輸送サービスに携わった経験は誇りです」と述べた。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News