【11月18日 AFP】欧州連合(EU)は17日、ロシアからフィンランド入りする非正規移民の数が急増している点に言及し、ロシアが移民を利用して周辺諸国に圧力をかけているのは「恥ずべき行為」だと非難した。

 フィンランド政府は16日、ロシアから流入する移民が急増しているため、同国との国境にある検問所8か所のうち4か所を今週末から閉鎖すると発表した。

 フィンランドのペッテリ・オルポ(Petteri Orpo)首相は、同国が今年、北大西洋条約機構(NATO)に加盟したことに対抗して、ロシアが不安定化工作を意図的に仕掛けてきていると述べた。

 EU欧州委員会(European Commission)のウルズラ・フォンデアライエン(Ursula von der Leyen)委員長は同日、オルポ氏と会談し、「ロシアによる移民の道具化は恥ずべき行為」と非難した。

 ロシアが2022年2月にウクライナに侵攻して以来、フィンランドとロシアの関係は悪化。フィンランドは安全保障上の懸念から、数十年にわたる軍事的非同盟政策を放棄し、NATOに加盟した。

 フィンランドの国境警備隊によると、ロシアと約1340キロにわたって国境を接する同国では今年8月以降、ロシアからの非正規移民の数が急増している。主に中東やアフリカ出身で、9月以降、難民認定申請者は約280人に上っているという。(c)AFP