【10月13日 AFP】スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリ(Greta Thunberg)さんは12日、ノルウェーの首都オスロで先住民サーミ(Sami)人の抗議行動に参加した。

 ノルウェー最高裁は2021年、サーミ人がトナカイを放牧している西部フォセン(Fosen)地方の2か所の風力発電所が、国連(UN)が保証する先住民の権利を侵害していると判断。違法とする判決を下した。だが風力タービン151基がいまも稼働している。

 判決から2年目の11日、サーミ人と環境活動家数十人はオスロで風力タービンの取り壊しを要求する抗議行動を開始。翌日合流したグレタさんと共に、風力タービンのうち80基を操業する国営電力会社スタットクラフト(Statkraft)本社の入り口を封鎖した。

 グレタさんはAFPに対し「人権侵害が行われているとき、特にスカンジナビアでサーミ人の人権が侵害されているときに連帯を示すことは重要だ。その場に来て支持を表明することができる全員がそうすべきだ」と語った。

 グレタさんは同日、スウェーデンのマルメ(Malmo)で7月に行われた抗議デモの際、警察の取り締まりに抵抗したとして5500クローナ(約7万5000円)の罰金刑を言い渡された直後にオスロのデモに駆け付けた。

 推定人口約10万人とされるサーミ人はノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ロシアの北部に暮らし、伝統的に漁業とトナカイの遊牧を中心に生計を立てている。(c)AFP