【11月10日 Xinhua News】中国四川省(Sichuan)の中国ジャイアントパンダ保護研究センター雅安碧峰峡基地で8日、日本からやって来たツアー参加者が上野動物園生まれの雌のパンダ「シャンシャン(香香)」と念願の再会を果たした。

 一行は中国駐東京観光代表処などが主催したツアー「シャンシャンと再会の旅」の参加者で、東京から成都まで飛行機で約6時間、成都から同基地までバスで約2時間かけて移動した。

 同日午前11時10分、カメラマンや編集者、フリーライターからなる一行は、日本の多くのパンダファンの想いを胸に、豊かな自然に囲まれた同基地に到着。バスを降りると待ちきれない様子でシャンシャンが見えるガラス窓の前に直行した。

 熱心に姿を探したものの、残念ながらシャンシャンは姿を見せなかった。基地の職員が、シャンシャンは寝ているため昼食をとる午後2時にもう一度来るよう説明した。

 午後1時半、急いで昼食を済ませた一行はガラス窓の前に再び集まり、カメラを構えてシャンシャンの登場を待った。午後2時11分、シャンシャンが無邪気に左手の林からゆっくりと現れ、地面にあった大きなリンゴをくわえておいしそうに食べ始めた。一斉にカメラのシャッター音が鳴り響いた。

 昼食は豪華だった。シャンシャンは大きなリンゴと特製の窩窩頭(トウモロコシの粉でつくる蒸しパン)を平らげると、今度はタケノコを食べ始めた。シャンシャンを驚かせないよう、一行はできるだけ音をたてないようにしていたが、それでもたびたび「わあ!」「かわいい!」と感嘆する声が小さく聞こえた。

 取材に応じたパンダファンの遠藤英湖さんは、最もお気に入りのパンダはシャンシャンと神戸市立王子動物園の「タンタン(旦旦)」だと話した。首には「タンシャン(旦香)」と名付けたパンダがデザインされた手作りマフラーを巻いていた。2月にシャンシャンが中国に旅立つ際にも同じマフラーを巻いて空港まで見送りに行ったという。「シャンシャンのおかげで、多くの日本人が中国にさらに興味を持つようになった。中国の人たちにも日本人のパンダへの深い愛情を知ってほしい」と語った。

 午後3時ごろ、タケノコを運ぶ車が通りかかり、クラクションを鳴らした。大きな音に驚いたシャンシャンは、食べかけのタケノコを2本くわえて山の裏に走り去ってしまった。一行のシャンシャンとの再会はあっけなく幕を閉じた。(c)Xinhua News/AFPBB News