【10月12日 CGTN Japanese】中国ジャイアントパンダ保護研究センターはこのほど、中国SNSの微博(Weibo、ウェイボー)で、今年7月に高齢のパンダ「英英(インイン)」の健康状態が突然悪化し、治療のかいなく息を引き取ったと発表しました。死因は重度の貧血と腎機能不全に、免疫機能低下、肺病変、子宮腫瘍を併発したことによるものとしています。

 今年32歳の英英は、9回の出産で14子を授かり、うち13子が生存し、飼育パンダの個体数増加に大きく貢献した、名実ともに英雄的な母親であり、英英ファミリーを立ち上げました。5代目は韓国で生まれた福宝(フーバオ)とその双子の妹です。英英ファミリーの子孫の多くは、英英の優れた遺伝子と豊かな個性を受け継いでおり、東京生まれの香香(シャンシャン)と、脱走を繰り返すパンダ界のトップアイドルで北京動物園で飼育されている萌蘭(モンラン)は、いずれも英英の外孫に当たります。

 英英は1991年生まれの野生パンダで、92年の春、天敵を避けるため木に登り母親とはぐれて迷子になりました。数日後にパトロール中の救助隊員が救助し、中国ジャイアントパンダ保護研究センターに連れ帰りました。臥竜の「英雄溝」という場所で発見されたことから、英英と名付けられました。

 英英は丸顔で毛が白く、童顔で美しいことから「英三歳」と呼ばれました。その微笑むような姿は、香香や萌蘭など多くの子孫にも受け継がれています。英英は食いしん坊としても知られ、食べ過ぎで体重が150キロを超えたこともありました。飼育員らがその健康を守るためにレシピの調整などを行い、1年以上のダイエットを強いたことで、なんとか標準体重に戻ったというエピソードが伝えられています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News