【10月11日 AFP】欧州連合(EU)欧州委員会(European Commission)のティエリ・ブルトン(Thierry Breton)委員(域内市場担当)は10日、イスラム原理主義組織ハマス(Hamas)によるイスラエルへの大規模攻撃後、X(旧ツイッター)で「違法コンテンツや偽情報」が拡散されているとして、運営会社オーナーのイーロン・マスク(Elon Musk)氏に対応を要請する書簡を送った。

 ブルトン委員は書簡で、24時間以内の対応と、欧州警察機関(ユーロポール、Europol)など「関係する法執行当局」への連絡を求めている。

 ブルトン委員はさらに、Xに投稿されている「暴力やテロリスト」に関するコンテンツについて、違法コンテンツの削除をIT企業に義務付けるEUの「デジタルサービス法(DSA)」に照らして検証する意向を表明。マスク氏に対し、「調査が開始され、違法と認定されれば制裁金を科す可能性があることを念押ししておきたい」と警告した。

 これに対しマスク氏は、書簡をXに投稿した利用者に応える形で、ブルトン委員の念頭にある「違法行為のリストを提示してほしい」と呼び掛けた。

 ハマスのイスラエル攻撃をめぐっては、未確認情報や誇張されたコンテンツ、誤報が拡散している。専門家は、偽情報がさらに広がれば憎悪や暴力の拡大につながりかねないと懸念している。(c)AFP/Daniel ARONSSOHN