【10月8日 AFP】イランの支援を受けるレバノンのイスラム教シーア派(Shiite)組織「ヒズボラ(Hezbollah)」は8日、係争地のイスラエル拠点に向けて「大量の砲弾と誘導ミサイル」を発射したと発表した。

 ヒズボラは「イスラエルが占拠しているレバノン領シェバーファームズ(Shebaa Farms)にあるイスラエルの3拠点を大量の砲弾と誘導ミサイルで攻撃した」と述べた、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配するイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)が7日、イスラエルに対し、空、海、陸から大規模攻撃を行ったことに「連帯」したものだと説明している。

 ヒズボラは、ハマスとその軍事部門「イザディン・アルカッサム(Ezzedine al-Qassam Brigades、カッサム旅団)」による大規模攻撃を「大胆な作戦」とたたえ、「抵抗するパレスチナ市民を称賛する」と述べた。

 ヒズボラ指導部は事態の推移を注視しており、「国内外のハマス指導部と直接連絡を取り合っている」という。

 ヒズボラはハマスによる大規模攻撃について、「占領と聖地への攻撃が続くことへの返答」であり、「アラブ世界とイスラム世界、国際社会全体、とりわけ(イスラエルとの)国交正常化を目指す国々へのメッセージ」だと述べた。

 米国がイスラエルとサウジアラビアとの国交正常化を働き掛けている。

 ヒズボラは2006年、イスラエルと34日にわたり交戦。レバノン側は1200人以上が死亡、イスラエル側は160人が死亡した。レバノンの死者はほぼ民間人だったが、イスラエル側の死者は大半が兵士だった。(c)AFP