【10月7日 AFP】第52回世界体操競技選手権(52nd FIG Artistic Gymnastics World Championships)は6日、ベルギーのアントワープ(Antwerp)で女子個人総合決勝が行われ、米国のシモーネ・バイルス(Simone Biles)が4種目合計58.399点で優勝し、大会通算21個目の金メダルを獲得した。

 バイルスは、段違い平行棒を除く4種目中3種目で最高点を記録する圧巻の演技を披露し、前回女王レベッカ・アンドラーデ(Rebeca Andrade、ブラジル)を56.766点の2位、チームメートのシャイリース・ジョーンズ(Shilese Jones、米国)を56.332点の3位に抑え、世界選手権の個人総合で6度目の頂点に立った。

 すでに4日の団体でも金メダルを手にしており、これで世界選手権での通算メダル獲得数は27個になった。今大会では種目別の4種目を残しており、さらにメダルを積み上げる可能性が高い。

 表彰台では目に涙を浮かべたバイルスは「実は目に何か入って取れなかった。本当に」と話しつつ、初出場で金2個を含む4個のメダルを獲得した2013年大会もアントワープ開催だったことに触れ、「でも感情的にはなっていた。10年前に初めて世界選手権を制し、またこうしてここに戻ってこられたのだから」と述べた。

 大本命として期待された21年の東京五輪では、空中で平衡感覚を失うメンタルブロック状態「ツイスティーズ」に悩まされ、大半の種目を棄権。その後メンタルヘルスの保護を理由に休養を取り、先日2年ぶりに競技に戻ってきたばかりだが、見事な復帰劇で来年のパリ五輪を前に再びギアを上げている。

「心地よく、自信を持って戦えるように、さまざまなことを費やしてきた。だからこそ、またこの場所に戻ってこられたのは、自分にとっては本当に大きな意味がある」 (c)AFP/Diane FALCONER