【9月28日 CGTN Japanese】中国第1回量子コンピューティングとデジタル医療サミットフォーラムがこのほど開催されました。同会議では量子コンピューティングを乳がんの診療に応用した研究成果が初めて発表されました。乳がんの診療分野で中国の量子コンピューティング技術を応用したのは今回が初めてです。

 乳がんは女性によく見られる悪性腫瘍で、早期発見と速やかな治療が患者の生存率と治癒率に大きく影響します。臨床では通常マンモグラフィ検査によって乳がんのスクリーニングと診断を行いますが、その結果は患者自身の乳房の緻密度と医師の経験により影響を受けるため、診断の精度は臨床医師が直面する重要な問題です。従来の診断方法は時間がかかり、精度が低いなどの問題があります。量子コンピューティングは従来の方法に比べ、特定の状況下でデータ処理速度を飛躍的に高めることができ、マンモグラフィ画像のより正確で効率的な解析と判断に役立ちます。

 同フォーラムで、蚌埠医学院第一付属病院主任医師である謝宗玉准教授が「量子ニューラルネットワークに基づく乳がんのインテリジェント診断システムリポート」を発表し、「同システムは初めて量子コンピューティングをディープラーニングと結びつけることで、ハイブリッドな古典的量子画像アルゴリズムを設計し、乳腺マンモグラフィ画像の分類とセグメント化について高精度で迅速な分析を行い、臨床医師がより効率的かつ正確に患者の病状を判断できるよう支援する」と説明しました。

 近年、乳がんはますます多発しており、2020年には、初めて肺がんを抜いて「世界で最も多いがん」となっています。中国では毎年新たに約42万人の乳がん患者が増加しており、しかも年間発症率は毎年3%から4%ずつ増加しています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News