【9月24日 CNS】海中に潜る掘削刀が高速で回転し、掘削された泥砂や岩石は排泥管を通り、泥ポンプで1200メートル以上離れた場所に送られる。8月20日、中国が独自に建造した初の超大型自航式カッターション浚渫(しゅんせつ)船(河川や港湾の土砂を取り去る船)「天鯨号(Tianjing)」が、平陸運河プロジェクトの水路第15工事区域の河口沖合区間に姿を現し、同運河の建設工事に投入された。

 平陸運河は新国際陸海貿易回廊(ILSTC)の主要プロジェクトで、全長134.2キロ、そのうち河口の工事区域は全長約22キロ、総浚渫工事規模は1323万1400立方メートルになる。この区間では、工事海域の土質が複雑で、浚渫土の輸送距離が長く、工期が厳しいといった多くの課題があり、その施工の難度は高いという。

「天鯨号」は技術的先進性と構造的複雑さが世界の同類船舶の中でもトップクラスだ。その掘削刀の出力は4200キロワットに達し、汎用型、粘土型、岩掘削型および重型岩掘削型など4種類の掘削刀が備え付けられ、汚泥、粘土、砂質土、礫石、中風化岩・弱風化岩・強風化岩を掘削することができる。汚泥、細砂・粉砂などの一般的な泥質のものを埋め立てる際には、1時間あたり4500立方メートルの速度で、海砂と海水の混合物を6000メートル外に排出することができる。

「天鯨号」が平陸運河の建設に投入されれば、「高速掘削、遠距離排出、高効率」という優位性を最大限発揮し、同運河の実際の土質を考慮し、1日平均の埋め立て可能な土石量が2万5000立方メートルに達し、同運河河口沖合区間の工事建設上の難題を効果的に解決し、施工効率を向上させ、プロジェクト建設を加速する力になる。

 平陸運河集団(Pinglu Canal Group)によると、硬質岩に対する強力な掘削能力を持つ「天鯨号」の参加により、平陸運河の海底での爆破を大幅に減らせる他、長距離輸送の環境保護施工技術の利用により、該当区間の船舶機器の投入数量を効果的に減らし、泥の排除や埋め立てによる海域の二次汚染を減らすことができる。「天鯨号」の参加により、工事安全の指標の値も高まり、作業区域の海洋生物や運河両岸の堤防や傾斜地の安定性への影響を最小限に抑え、海洋生態環境を効果的に保護し、優良的・グリーン・安全・文明な施工が確保される。   

 情報筋によると、平陸運河が完成すれば、大容量・高効率・低コスト・広範囲な江海共同輸送大通路が形成されるという。(c)CNS/JCM/AFPBB News