【7⽉14⽇ Peopleʼs Daily】ジャイアントパンダは丸顔で白黒の色がはっきりしていて、目の周囲には大きな隈(くま)がある。毛むくじゃらで丸々とした体形で無邪気で愛くるしく、かわいらしいとぼけた子どもっぽさに満ちている。

 パンダの丸顔は、頬骨弓が両側に大きく突き出ており、口から鼻にかけてが相対的に短く見えるためだ。白黒の毛色は山地の森林環境での保温に有利で、ある程度の保護色の役割を果たす。

 パンダは嗅覚や聴覚が発達しているが、視力は人で言えば強度の近視だ。ただ、パンダが暮らす環境で、視力を特段に進化させる必要はなさそうだ。パンダのいつもゆっくりとした動き方はエネルギーの節約に役立つ。一方で、パンダは泳いだり、木に登ることもできる。全身の関節が非常に柔軟で、思いがけない動きをすることも多い。

 中華人民共和国政府は成立以来、パンダの科学的保護を強化し続けてきた。四川省(Sichuan)に臥竜、白河、王朗、喇叭川の自然保護区4か所を相次いで設立したなどだ。

 野生のパンダの個体数を把握することは、科学的保護の基礎だ。中国では1974年から現在まで、パンダの調査が計4回行われた。第4回調査によると、全国の野生パンダの個体数、生息地面積はいずれも前回比で10%以上増加した。2013年末時点で全国の野生パンダの数は1800頭以上に達していた。しかし中には30頭に満たない群れもあり、単純に保護するだけでは群れの維持は困難だ。そのため、中国は飼育パンダの野生化のプロジェクトをスタートさせた。この取り組みは消滅が懸念される小さな群れの復活を目指すものだ。

 この人工介入による保護により、現在までに10頭以上の飼育パンダが四川省・栗子坪イ族郷などの小さな群れに加えられた。中国は2021年10月、パンダなどの第1弾となる国立公園を設立すると発表した。生息地の約60%が含まれる約220万ヘクタールの面積をカバーし、そこでは野生パンダの70%以上が生息している。パンダ国立公園の設立は、中国のパンダ保護事業が新たな段階に入ったことを示す。

 国際自然保護連合(IUCN)は2016年、パンダの絶滅脅威レベルを「絶滅危惧(EN)」から緊急度が1段階低い「危急(VU)」に変更した。この変更は、中国がパンダ保護分野で獲得した著しい成果の反映だ。パンダの保護と研究の成果は、社会の各界が手を携えて努力した賜物(たまもの)だ。中国人が書き進めているサクセスストーリーであり、世界の野生動植物の保護に示す見本でもある。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News