【7月11日 CGTN Japanese】中国では学年が秋に始まるので、大学入試が実施されるのは毎年の6月です。今、中国各地の大学の合格通知書の配布が始まっています。「14浪」で注目されてきた唐尚珺さんは、今年は15回目の大学入試の受験に挑みました。唐さんはこのほど、SNSに動画を投稿し、今年の大学入試の点数は594点だったとして、「17年間高校に通ってきたが、今年は大学に行くことに決めた。教育大学に入学する可能性が高い」と表明しました。

 唐さんは1989年生まれで、中国南部の広西チワン族自治区防城港市上思県の辺鄙(へんぴ)な村で育ちました。一家は農業で生計を立てていました。唐さんは現役受験生だった2009年に372点を取りましたが、納得できずに浪人の道を歩み始めました。10年余りの間には西南政法大学、吉林大学、中国政法大学、広西大学など多くの名門校に合格できる高得点を何度も取りましたが、それでも「もう一度挑戦する」を選び続けました。

 昨年の大学入試で、唐さんは中国トップレベルの大学である上海交通大学の医学院看護学院に合格したが、自分が望んだ専攻ではないとして入学せずに、再び浪人の道を選びました。唐さんの選択については、「執着なのか偏執なのか」とする疑問の声もインターネットで上がりました。

 唐さんによると、浪人になった最初の理由は成績が悪かったが、その後、成績が上がるに連れて中国トップの清華大学にも合格する可能性があると感じたので、浪人を続けたとのことです。「清華大学合格」は唐さんの小さい頃からの夢だったそうです。ただし、唐さんは清華大学に合格できなかったことは、他校への入学を拒絶した理由ではないと強調しました。

 唐さんの中学時代の同級生は、「彼が何度も大学進学の機会を放棄したのには理由がある。世間は、一般的な人生の軌跡で彼の選択を一方的に評価してはならない。例えば、2016年には中国政法大学に合格したが、進学しなかったのは父親が重病だったためだ。実際に、その2年後に彼の父親は他界した」と説明しました。

 唐さんは、自身の経験とそれがもたらした論争についても、反省の意を表したことがあり、「もう一度選べるなら、早く大学に行くべきだった」と述べています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News