【5月4日 People’s Daily】中国南部の海南島洋浦国際港にブラジルから「新福州」号が到着し、南米ルートからのコンテナが初めて港に降ろされた。

「南太平洋や西アフリカルートに続いて、海南自由貿易港に寄港する第3の大陸間コンテナルートの誕生です」。洋浦経済開発区交通運輸・港湾物流部門の責任者、周昌懋(Zhou Changmao)氏が説明する。

 洋浦港は2022年末までに481隻の船舶が登録され、積貨重量は 490万トンを超え、海南国際航貿易港の総トン数は国内トップにランクされている。

 海南省(Hannan)は積極的な開放戦略を展開しており、自由貿易港の建設を加速している。今年2月にはインドネシアやベトナムなどへ海外投資促進代表団を派遣。インドネシアで開催された推進会議では、国際ルートの開設、天然ゴム原料の調達、工場設立への投資、越境ECなど13件の協力案件が調印され、契約額は35億元(約690億円)近くに上った。

「海南自由貿易港の急速な発展は、私たちにまたとないビジネス拡大の機会を提供してくれました」と話すのはインドネシア最大のコーヒー会社、火船集団の呉徳音(Wu Deyin)主席。同社は海南島に初の店舗を設立する。

 米国のファッション企業タペストリー(Tapestry)は海南島に本部を設立し、化粧品メーカーのエスティローダー(Estée Lauder)も海口総合自由貿易区に登録した。この5年間で多くの国際企業が海南に拠点を構えており、海南省の商品貿易とサービス貿易の規模はそれぞれ1.8倍と1.2倍になった。

 海南省は中国企業が海外に進出する拠点にもなっている。優遇税制や投資円滑化など多くの要因から、海南島に海外投資本部を設立する利点が多い。

 コークス生産に従事する投資会社・旭陽国際投資海南有限公司はインドネシアのスラウェシ島に近代的なコークス産業団地を設立した。同社の蕭偉(Xiao Wei)副総経理は「私たちの最初の海外拠点で、5 月に稼働します。海南島は東南アジアに近い地理的な利点があります」と話す。

 2022 年の海南省の外国投資は前年比137.46%増の18億9500万ドル(約2583億745万円)に達した。

 海南省は、グローバル化する中国企業の拠点と、中国に進出する外国企業の拠点となっている。2018年以降、海南省には127か国・地域から4790社もの外資系企業が進出。2022年の海南省の商品の輸出入総額は前年比36.8%増の2009億5000万元(約3兆9627億円)で、成長率は国内トップにランクされている。(c)People’s Daily/AFPBB News