【4月7日 AFP】5日に行われたサッカーオランダ杯(KNVB Beker 2022-23)準決勝のフェイエノールト(Feyenoord)対アヤックス(Ajax)戦で、アヤックスのMFデイヴィ・クラーセン(Davy Klaassen)が観客席から投げ込まれたライターで負傷する事件があった。

 オランダ政府は6日、ディラン・イェジルゲス(Dilan Yesilgoz)司法・安全相が「最高レベル」の調査を行うと表明し、マルク・ルッテ(Mark Rutte)首相も「容認できない」暴力だと事件を非難。オランダサッカー協会(KNVB)は同日、同様の事件が再び起きた場合は試合を即時中止すると発表した。

 クラーセンは頭部にライターが直撃して出血し、試合は30分近く中断された。その前にチーム2点目を入れていたクラーセンは、再開後もプレー続行を試みたものの、頭部を抑えながら数分でピッチを後にした。

 この試合の開始前にはファンが花火を打ち上げてキックオフが遅れ、反ユダヤ主義のチャントも起こった。

 警察は、ライターを投げ込んだ疑いがある32歳の男を含む、22人を逮捕したと発表している。

 KNVBは再発防止策を公表し、「観客から投げ込まれた物体が選手や審判に当たった場合、審判は即座に試合を終了する」とした。オランダ政府は今後、イェジルゲス氏がスポーツ相とともに、KNVBやクラブ、地元当局、警察と事件解明に向けた会合を開くという。

 この試合のホームチームだったフェイエノールトは、ASローマ(AS Roma)と対戦する13日のヨーロッパリーグ(UEFA Europa League 2022-23)準々決勝で、今回物が投げ込まれたとされるスタンドの2000席を閉鎖すると発表。逮捕された個人についても、長期のスタジアム出入り禁止にすると説明した。

 試合はアヤックスが2-1で勝利し、PSVアイントホーフェン(PSV Eindhoven)との決勝に進出した。(c)AFP