【1月31日 CNS】2022年の自動車市場の最大の勝者は誰か?

 2022年の生産・販売台数を見ると、中国の電気自動車(EV)メーカー大手の比亜迪汽車(BYD)の累計販売台数は186万3500台で、前年同期比で208.64%増となっている。予想外の突発的な事象が発生しない限り、同社は、2022年最も販売台数の多い自動車メーカーとなるだろう。

 BYDのこの輝かしい実績の背景として、関連産業チェーンの「一等の功績」を認めるべきだろう。

 2022年上半期、BYDは、会社の戦略的発展ニーズに沿って、2022年3月からガソリン車の完成車生産を停止し、今後、自動車部門において、純電気自動車(BEV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)事業に注力していくと率先して発表した。

「停燃(ガソリン車の完成車生産停止)」はBYDに大きな利益をもたらした。中国自動車工業協会(CAAM)のデータによると、2022年上半期、BYDの新エネルギー車の市場シェアは24.7%とほぼ4分の1に達し、2021年より7.5パーセントポイント以上増加したという。

「停燃」がBYDに新たな発展チャンスをもたらし、同社の新エネルギー車の急速な発展のために徹底的に「障害を取り除いた」。最近、BYDの新エネルギー車分野での開発ペースは著しく高まっている。

 公開資料によると、2022年11月、BYDは300万台目の新エネルギー車のラインオフを迎えた。新エネルギー車の製造実績として、「1台目から100万台目まで」は13年、「100万台目から200万台目まで」は1年、「200万台目から300万台目まで」はわずか半年で達成した。

 新エネルギー車の開発過程では、産業チェーンの役割は疑う余地も無い。関連する産業チェーンを制する者は、先手を打ち、激しい市場競争の中で一角を占めることができる。

 従来のガソリン車とは異なり、新エネルギー車の完成車コストのうち、バッテリーが30%以上を占めている。新エネルギー車産業チェーンの不可欠な要素として、駆動用バッテリーは極めて重要な役割を担っている。

 韓国のバッテリー・エネルギー関連調査会社SNEリサーチ(SNE Research)が発表した最新データによると、2022年1月から11月にかけ、中国企業の寧徳時代新能源科技(CATL)とBYDがトップ2にランクインしており、両者の合計市場シェアは50.7%となっている。中でもBYDの電池設備容量は60.6ギガワット時に達し、前年同期比で168.3%増、市場シェア13.6%で世界第2位となっている。

 中国で電池製造に精通している数少ない自動車会社の一つとして、BYDは原材料・製品安全重視のリン酸鉄リチウムイオン電池の製造を堅持し、業界トップレベルの技術を複数発表した。これらの利点により、BYDは新エネルギー車産業チェーンにおいて先手を打つことが可能となり、率先して「停燃」を実現するための勇気を得た。

 また、BYDは新エネルギー車のトップ企業としての模範を示し、企業の炭素排出行動と管理を強化し、グリーンテクノロジー、エコ製品、グリーンなソリューションを通じ、交通運輸業および製造業の低炭素化へのモデルチェンジを加速させている。(c)CNS/JCM/AFPBB News