【12月29日 AFP】寒波に見舞われた米テキサス州ヒューストン(Houston)で、橋の下にすみ着いているコウモリが「低体温でショック状態」になり地面に落ちる出来事があった。動物愛護団体が保護し、28日には大部分が橋のもといた場所に返された。

 動物保護団体「ヒューストン・ヒューメイン・ソサエティー(Houston Humane Society)」はフェイスブック(Facebook)で、凍えて足の握力が失われ9メートル下の地面に落ちたと説明している。

 メキシコオヒキコウモリは小型で、必要最小限の脂肪しかついていないため、地面に落ちて氷点下の空気にさらされている状態では長くは生きられないという。

 気温が大きく落ち込んだ21日、同団体はコウモリの救出作戦を開始。ウォー橋(Waugh Bridge)の下で929匹あまりのコウモリを保護し、温め、栄養を与えた。

 その後ボランティアも加わり、週末までに1500匹が暖かい保護施設や団体幹部の自宅の屋根裏部屋に収容された。

 ほとんどの個体は温めて水を与えるだけで回復したが、重症なものについてはふ卵器に入れられ点滴がされた。

「驚くことに、ほとんどのコウモリが助かった」という。

 28日には気温が22度まで上昇したため、「700匹近く」が橋に戻された。

 テキサス州の複数の橋にはコウモリが集団ですみ着いており、コウモリ・ウオッチングは人気の娯楽となっている。コウモリの大群が餌を探しに飛び立つ夕方になると、見物客が集まる。(c)AFP/Mark Felix