【12月27日 CNS】中国の高級ミルクティーブランド「奈雪の茶(NAYUKI)」が最近、「ひそかに名前を変えた」とネットユーザーの間で話題となった。日本語のひらがなの「の」をそのまま使っていた「奈雪の茶」のロゴを「奈雪的茶」に改め、ローマ字表記も「NAYUKI」から中国語の発音「NAIXUE」に変更した。

 2015年に広東省(Guangdong)深セン市(Shenzhen)の1号店から始まり、中国全土に広がった奈雪の茶。公式サイトによると、その名前は創設者の彭心(Peng Xin)氏のネット名「奈雪」に由来しているというが、なぜ日本語の「の」を使用したか説明はない。今回の名称変更について同社は「ブランドのアップグレードであり、全国的に順次、置き換えていく」と説明している。

 中国企業では最近、新興飲料メーカー「元気森林(Yuanqisenlin)」が日本語の漢字「気」から中国語の「气」に差し替えた。日用品を販売する「名創優品(メイソウ、MINISO)」も日本的要素を取り除いていくと表明している。10元(約189円)ショップとしてスタートした名創優品はデザインロゴで日本の「無印良品」を、販売手法で日本の「ダイソー(Daiso)」を模倣していると指摘されていた。

 かつて日本ブランドは高品質の象徴とされ、家電や自動車、外食、小売り、サービス業まで中国市場への影響力は絶大だった。多くの中国企業が「日本式のラベルを貼る」ことで消費者の関心を集めてきたが、近年は中国ブランドの人気が高まる中、「日本式ラベル」のマイナス面も出始めていた。

 ミネラルウオーター最大手「農夫山泉(Nongfu Spring)」は2021年6月、フレーバー付き炭酸水の宣伝に「福島産の桃」という言葉を使用し、虚偽の宣伝の疑いが取りざたされた。今年8月には、名創優品がスペイン語のSNSでチャイナドレスを着た人形を「日本の芸者」と紹介し、ネットユーザーに批判された。

 かつての「売れる秘訣」だった「日本式ラベル」は今や「アキレス腱(けん)」となり、多くのブランドが日本要素と「決別する」ようになっている。(c)CNS/JCM/AFPBB News