■「軍事排出を世界的な議題に」

 ミカエロワ氏はAFPに対し、「最善のステップは、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の実際のプロセスに直接、軍事排出の問題を持ち込むことだろう」と語った。

「課題は軍事データが通常、機密として扱われる点だ。だが、別の尺度から割り出せるかもしれない。どの航空機がどの地域を飛行しているのか、特定の機種の排出量強度はどの程度かといった情報なら調べられる」と同氏は説明する。「こうしたデータを使えば、少なくとも10〜20%の誤差の範囲内で軍事関連の排出量を推計できるはずだ」

 ネイチャーの記事の執筆者は、炭素排出量について「各国は排出インベントリ(特定の物質が一定期間内にどの排出源・吸収源からどの程度排出・吸収されたかを示す一覧表)に公式に記録し、正確に報告すべきだ。軍事行動も脱炭素化しなければならない」と指摘。「軍事排出を世界的な議題にする必要がある」と主張している。(c)AFP/Ursula HYZY