【10月31日 CGTN Japanese】中国の科学研究者は大深度地下実験を通じて、宇宙で知られる最古の恒星のカルシウム元素の起源の謎を明らかにしました。関連論文はこのほど、世界的な科学誌の「ネイチャー」に掲載されました。

 2014年、オーストラリアの天文学者が望遠鏡を用いて宇宙最古の赤色巨星を観測しました。その星の誕生はビッグバンからおよそ1億年後で、第1世代の恒星による超新星爆発で発生した星雲に由来するものと分かりました。赤色巨星からはその時点でリチウムや炭素、マグネシウム、カルシウムなどの元素が観測されましたが、カルシウムの起源は謎に包まれていました。

 北京師範大学の核科学技術学院の何建軍教授が率いる研究チームは数年の準備と研究を経て、2400メートルの岩盤下に位置する「中国錦屏地下実験室」を利用してフッ素による陽子取り込みを直接に測定する実験を行いました。その結果、カルシウムは恒星内で炭素や窒素、酸素などがかかわって重い原子を生成する反応のCNOサイクルの結果として最終的に生成されたという仮説を検証し、古い恒星のカルシウム元素の起源問題の解明に成功しました。「ネイチャー」の審査員は、「この実験は大きな成功だ。将来の天体核物理学研究に新しい道筋を提供した」との考えを示したとのことです。(c)CGTN Japanese/AFPBB News