【10月18日 CNS】中国都市部の新築住宅地でかつて「セールスポイント」だった景観緑化が、現在は「荒廃」していることが問題になっている。コミュニティーの資金不足とそれに伴うメンテナンス不足が原因となっている。

 住宅地の緑化は竣工・引渡し時に完成しているものではなく、その後のメンテナンスによって整備される。しかし、資金不足とメンテナンス担当者の不足により、ほとんどの住宅地の緑化は住民にとって満足のいくものとなっていない。

 2006年から北京市昌平区(Changping)の住宅地に住む孫(Sun)さんは、入居最初は花、木、草があって、緑化に問題を感じなかった。だが、その後のメンテナンス不足で、次第に荒廃していった。

 緑化専用の資金はプールされておらず、緑化を維持するためには管理費から支出しなければならない。だが、古い団地では資金は潤沢ではないため、緑化のために管理費を値上げすることは難しい。

 北京市政府も住宅地の緑化問題に注目し始めている。北京市園林緑化局は2021年、全ての住宅地で緑地の管理と保護を強化するよう通知。様々な方法で古い住宅地で継続的に緑地を増やし、緑化環境を改善・強化するよう求めている。

 北京市住宅都市建設委員会の職員は「緑化問題は北京の古い住宅団地における懸念の一つ。居住者と話し合い、意見を十分に取り入れていく」と述べている。(c)CNS-北京青年報/JCM/AFPBB News