【6月11日 AFPBB News】1週間のSDGsニュースを振り返る。

EU、充電器「USB-C」に統一へ アップルに打撃

 欧州連合(EU)加盟国と欧州議会(European Parliament)は7日、域内で販売されるスマートフォンやタブレットの充電器の端子を「USB-C」に統一することで合意した。iPhone(アイフォーン)などの製品で独自の規格を採用している米アップル(Apple)にとって打撃となる。

 EUは端子の統一について、電子機器の廃棄物削減につながると考えている。一方でアップルは、技術革新を遅らせ、さらなる環境汚染を引き起こすと主張している。

 EU加盟国と欧州議会は年内にも規制案を正式承認する予定。交渉担当者によると、2024年後半に大半のモバイル端末への適用が義務付けられるが、ノートパソコンについては一定の猶予期間が与えられる見通し。

欧州旗の前に置かれたモバイル端末用の充電器(2020年2月6日撮影、資料写真)。(c)Kenzo TRIBOUILLARD / AFP

タトゥーで女性の心と体の傷跡を癒やす ブラジル

 ブラジル・サンパウロ(Sao Paulo)のタトゥーアーティスト、カルラ・メンデス(Karlla Mendes)さんは、2017年、「私たちはダイヤモンド(We Are Diamonds)」という慈善プロジェクトをに立ち上げた。これまで約160人の女性に対し、病気や性暴力、事故などによる身体的・精神的な傷を克服する支援をしてきた。

 ブラジル人のマルレーニ・シルバドスサントス(Marlene Silva dos Santos)さん(51)は鏡に向かい、大事そうに胸のタトゥーを眺めた。乳房再建術を受けた左胸には、手術の痕を覆うようにダイヤモンドがつり下がった花の柄が彫られている。

 メンデスさんは「嫌な記憶がよみがえる傷痕に新しい意味を与え、自分のことを好きになってもらう。そうやって私のアートで誰かの人生が変わる手伝いができるのは、とてもうれしいです」と語る。

 ブラジル南東部のベロオリゾンテ(Belo Horizonte)でも、タトゥーアーティストのアウグスト・モリナリ(Augusto Molinari)さんが同様の支援を無料で行っている。モリナリさんの元を訪れた中には、パートナーの暴力でひどいやけどを負った女性や、自傷行為に悩む人もいたという。

キーボード奏者ドゥルシネイア・ソアレスさん(左)の指にタトゥーを彫るタトゥーアーティストのアウグスト・モリナリさん。ソアレスさんは幼い頃にサトウキビを絞る機械で左中指の先端を失い、キーボードを弾くたびに、自分の指が見せ物にされているような気がしたと話す。ブラジル・ベロオリゾンテで(2022年4月8日撮影)。(c)Douglas Magno / AFP

ロヒンギャ難民59人、タイの島に置き去り 警察

 タイ南部サトゥーン(Satun)県ドン(Koh Dong)島で4日、ミャンマーのイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)の難民59人が発見された。警察が5日、発表した。うち5人は子どもで、マレーシアに向かう途中、人身売買業者に置き去りにされたと話しているという。

 警察によると、不法入国の疑いがあり、裁判後、ミャンマーに送還される可能性がある。人身売買の犠牲者なのか、自らの意思で不法入国したのか捜査するとしている。

タイ・サトゥーン県ドン島で、ロヒンギャ難民に食料を提供するタイ海軍の兵士や公園当局者。タイ海軍提供(2022年6月4日撮影、5日提供)。(c)AFP PHOTO / Royal Thai Navy

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