【3月18日 People’s Daily】北京冬季オリンピックの開催に伴い、人々の「氷と雪のカルチャー」に対する関心が高まりつつある。

 中国ジュンガル盆地の北端にある、新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uyghur Autonomous Region)アルタイ地区(Altay)の洞穴スキー壁画は、現在までに発見された中でも、人類がスキーをしていた最古の記録のひとつである。雪に覆われる季節に人類がスキーで山間部を移動することには、少なくとも1万年の歴史がある。

 非常に冷え込む冬に、中国北方の各民族はだんだんと氷や雪をうまく利用する知恵を発展させた。例えば現在の人が楽しむ「氷の明かり」は、早い時代から日常の明かりとして需要があった。また昔の人は氷を作り、その氷と泥を混ぜ、城壁の防御力を上げるのに利用していた。また、冬の狩りの際に獲物を追う速度を上げるためにソリが発明され、食料の保存にも氷や雪が利用された。

 生存欲求が満たされた後は、余暇の娯楽としてウインタースポーツが行われるようになり、氷と雪の芸術が次第に現れるようになった。歴史書によれば、「氷嬉」と呼ばれるスケートと球技や弓道を合わせたような競技が冬のレジャーとして行われていた。清朝に至るとウインタースポーツは盛んに行われ、さまざまな競技が行われていた。

 現代では、人々は環境に配慮した科学色素で氷や雪をさまざまな色に染め、氷の明かりや彫刻、雪像などを作っている。これらの技術は寒い地域の町々に、新しい雪景色をもたらした。1963年に開催された第1回ハルビン氷祭りがその元祖である。

 深セン(Shenzhen)では、エアドーム構造と呼ばれる断熱技術で館内が低温に保たれた建物が造られ、造雪機を設置して模擬的に雪景色をつくり出している。温州(Wenzhou)などでは、テーマ性やシーン性を売りにした室内スキー場や、氷と雪のアトラクションなどが登場している。また、北京冬期オリンピックの会場デザインにも氷や雪の要素は取り入れられた。

 デジタル時代に突入し、バーチャルリアリティーやデジタルツインなどの技術が文化的領域において広く応用され、「氷と雪のカルチャー」が季節的な制約を超える一助となっている。例えば、360度カメラで撮ったパノラマ画像をVRヘルメットローカライザーなどの技術を使うと、使用者はまるで一面の雪の中に身を置いているような体験ができる。また例えば、VRヘルメットと室内スキー練習装置を合わせて使えば、ウインタースポーツ人口の拡大も望めるだろう。

 データ技術を通して、「氷と雪のカルチャー」は新しい発展や模索を行っている。200年以上前に行われた「氷嬉の祭典 」の盛況ぶりを描いた「氷嬉図」をデジタル化し、原画の中に描かれた1000人以上の人物に息を吹き込み、古代の大型ウインタースポーツ競技を再現した。

 データ技術との融合の中で、「氷と雪のカルチャー」はさらに一歩アップグレードと転換を進め、人々の「氷と雪のカルチャー」への体験も開拓され続けている。(c)People’s Daily/AFPBB News