【3月8日 Xinhua News】中国の重慶市計画・自然資源局はこのほど、中国科学院古脊椎動物・古人類研究所と共同で、同市秀山トゥチャ族ミャオ族自治県で新種の化石である「浜海湧洞魚」を発見したことを明らかにした。これにより、世界の古代の魚類リストに新しい高等生物が1種追加された。関連研究成果は、中国地質学会が発行する学術誌「地質学報(Acta Geologica Sinica)」(英語版)に掲載された。

 化石の実物から見て、「浜海湧洞魚」は頭部に半円形のヘルメットのような硬い骨があり、全長は4~5センチほど。化石発見者の1人で重慶地質鉱物研究院シニアエンジニアの陳陽(Chen Yang)博士によると、化石は同県湧洞鎮で発見され、地層は約4億3600万年前のものとされる。「浜海湧洞魚」は主に浅海や沿海区域に生息した東アジア特有の無顎類脊椎動物で、甲冑魚類の一種だという。

 研究成果論文の責任著者で中国科学院院士(アカデミー会員)、古魚類学者の朱敏(Zhu Min)氏によると、「浜海湧洞魚」が生きたシルル紀は地球の変化における重要な時期であり、その間に地球で激しい構造運動が生じて生態環境が大きく変化し、「黒」と「赤」の二つの特徴的な地層が形成されたという。このうち「赤」の層からの化石の発見は多くなく、地質学者から「無言の地層」と呼ばれている。その地層で発見された「浜海湧洞魚」は、華南地区のシルル紀の地層について精細な区分対比を行うための新しい化石証拠であり、重要な地層学的意義を持っている。(c)Xinhua News/AFPBB News