【9月9日 Xinhua News】中国湖南省(Hunan)文物考古研究所は5日、同省郴州市(Chenzhou)北湖区の黄泥塘(こうねいとう)墓群で古墓11基を見つけ、遺物30点余りが出土したと明らかにした。出土品の整理は既に完了しており、引き続き修復作業と資料整理が行われる。

 発掘作業は今年6~7月に実施され、漢代から唐代の古墓11基と後漢時代の建物跡1カ所を確認した。

 発掘プロジェクトの責任者、陳斌(Chen Bin)氏によると、墓の形状や出土器物の特徴、紀年銘文磚(せん、れんが)の分析から、11基の古墓の内訳が後漢時代3基、東晋~南朝時代6基、唐代2基だと分かった。出土品はこれまでに、釉薬のかかった陶製模型の明器、陶鼎、青磁盤口壺(ばんこうこ)、青磁盞(さん、茶碗)、磁碗、青銅鏡、銅帯鉤(たいこう、帯金具)、メノウ珠、長沙窯の彩絵磁盒と磁缶など副葬品30点余りが確認されている。

 1号墓の傍らからは、7・9メートル×8・0メートルの建物跡も見つかった。規模は大きく、多くの板瓦と筒瓦のほか、瓦当(がとう、筒瓦の先端部分)2点も出土した。年代は1号墓と同じで後漢中期とみられる。墓道の北東部に位置することから墓の付属施設と思われ、研究の結果、祭祀(さいし)または当時の人材登用制度「孝廉(こうれん)」に関連する施設と暫定的に判断された。

 陳氏は「一つの発掘現場で同時に見つかった墓11基は年代幅が広く、紀年銘文磚も出土した。重要な考古学的価値を持つ」と指摘。同墓群は中国の古代都市と社会・文化の発展を研究する上で重要な考古学資料になると述べ、異なる時代の葬送習俗を通じて、当時の社会背景と時代の特徴をさらに理解することができるとの見方を示した。(c)Xinhua News/AFPBB News