【8月26日 Xinhua News】中国の清華大学(Tsinghua University)などで構成されるチームがこのほど、英科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に研究報告を発表した。研究は、金属基触媒を使って、ペットボトルなど包装分野で幅広く利用されているポリエチレンテレフタレート(PET)を比較的価値の高い化学物質と水素燃料に作り替えるもので、プラスチック廃棄物の効率的なアップサイクルに役立つ内容となっている。

 プラスチック廃棄物は多くの場所で日増しに増えており、生態系の深刻な破壊につながっている。プラ廃棄物をなくす有効手段の一つが、比較的価値の高いものに作り替えるアップサイクルだが、既存の技術はまだ理想には程遠い。

 研究チームはニッケル基やコバルト基を触媒として、室温でPETをより価値のあるものに作り替える研究を行い、電気分解と生成物の分離を経て、固体プラスチックを商業価値のある固体化学物質(動物用飼料に添加される二ギ酸カリウムなど)や水素燃料に変換させた。

 研究チームはこのプロセスの経済価値について、プラ廃棄物1トンのアップサイクルで約350ドル(1ドル=約110円)の純利益が生まれると試算。関連するアップサイクル技術はプラ廃棄物の削減に対し、優れた潜在力を持つとの見方を示した。(c)Xinhua News/AFPBB News