【8月6日 People’s Daily】中国中車(CRRC)が開発し、完全に独自の知的財産権を持つ時速600キロの高速リニア交通システムが7月20日、青島市(Qingdao)でラインオフした。これは世界初の設計時速600キロにのぼる高速リニア交通システムで、現時点で実現可能な最速の地上交通手段だ。

 高速リニア技術は世界の軌道交通分野の一大「攻略ポイント」だ。時速600キロの高速リニア交通システムの登場は、中国が高速リニアプラント技術とエンジニアリング能力を身につけたことを意味する。今回ラインオフした高速リニアは、成熟した信頼性のある常伝導技術を利用した。その基本原理は、電磁力を利用し列車をレールの上で浮上させ、無接触運行を実現することだ。これには、効率性や安全性、利便性、信頼性、輸送能力、編成の柔軟性が高く、定刻かつ快適で、メンテナンスが便利で、グリーン・エコなどの技術優位性がある。

 このプロジェクトは2016年にスタートし、5年をかけてコア技術を成功させ、大きな躍進を遂げた。プロジェクトは5両編成で時速600キロの高速リニアエンジニアリング列車を自主開発した。システムは速度の向上、複雑な環境への適応、コアシステムの国産化などの難題を解消し、システムインテグレーション、車体、けん引・電力供給、運行制御通信、線路・レールなどのプラントエンジニアリング技術の重大な躍進を実現した。

 現在、高速鉄道の営業最高速度は時速350キロ、飛行機の巡航速度は時速800ー900キロで、新しい高速交通モデルとして、時速600キロの高速リニアは高速鉄道と航空輸送の間の速度の空白を埋めることができる。また、高速リニアは1両で100人を超える乗客を乗せることができ、2両から10両の範囲で柔軟に編成することができるため、多様な移動需要を満たせる。車体は走行中にレールと接触しないため、レールの消耗がなく、メンテナンス量が少なく、オーバーホール期間が長い。

 現時点で実現可能な最速の地上交通手段として、「ドアツードア」の実際の移動時間で計算すると、1500キロの輸送範囲内で、高速リニアが最も速い交通手段だ。北京から上海まで行く場合、旅の準備時間を合わせると、飛行機なら約4時間半、高速鉄道なら約5時間半かかるが、高速リニアを利用すればわずか2時間半ほどしかかからない。

 時速600キロの高速リニア交通システムは現在すでにインテグレーションとシステムの総合調整を終え、5両編成列車は工場内の試験調整ラインで全列車の安定浮上と動態運行を実現し、各機能性能は良好だという。計画によると、中国は路線テストとエンジニアリングテストのモデルの提示をさらに推し進め、この技術の持続的なイノベーションと産業化の実現を推進し、中国のハイエンド装備製造のアップグレードと戦略的新興産業の発展をけん引するという。(c)People’s Daily/AFPBB News