【8月27日 Xinhua News】中国科学院南京地理・湖泊研究所は24日、同研究所のチームが、微細藻類の一種、ミコナステス属(Mychonastes homosphaera)の全ゲノム配列解析を完了したと明らかにした。この藻類は、長江中・下流域にある巣湖や鄱陽湖などの淡水湖に広く分布しており、酸素や栄養素を作り出す重要な役割を担っているだけでなく、豊富な油脂も生成する。その遺伝子コードを解明することは、人類がこれら藻類の生態学的機能を詳細に研究し、エネルギー価値を発揮させるのに役立つ。

 研究を主導した同研究所の史小麗(Shi Xiaoli)研究員によると、ミコナステス属は粒径3マイクロメートル以下の微細藻類で、淡水に生息する。湖の生態系で重要な役割を果たしており、湖水の酸素含有量への貢献率は最大約60%に達する。

 研究チームは今回、ミコナステス属の藻株の取得に成功し、全ゲノム配列の解析を実施。合計5・8ギガベース(GB)の有効な塩基配列と6649個のタンパク質コード遺伝子を取得した。ゲノム解析の結果、同属が多様な分子形態の栄養塩やさまざまな波長の光を利用して光合成を行うことや、独自の低温環境適応メカニズムを持つことが分かった。これは、富栄養化が進んだ高濁度で低温の湖でも、大量に生き残ることができる強力な生存能力を持つことを示している。

 史氏は「ミコナステス属は水中の『油脂生産の達人』で、1リットル当たり1日約86ミリグラムの油脂を生成する。この藻類のゲノムに含まれる油脂の合成や代謝に関連する遺伝子は、種類が豊富で数も多い。効率的な光合成速度と活発な生育を考慮すると、同属は将来、エネルギー生産の潜在力を秘めた種になる可能性が高い」と語った。

 研究成果はこのほど、国際生物医学誌「BMC Genomics」に掲載された。(c)Xinhua News/AFPBB News