【2月15日 CNS】新型コロナウイルスによる肺炎が最も深刻な中国・武漢市(Wuhan)の街角では、小さな商店や食堂が健在だ。たくさんの客が集まることはないが、地元の人々の生活を支えている。

 商店主らの考え方は柔軟だ。顧客が店に来られなければ、商品を届ければよい。物流業者が配達してくれなければ、自分で運転して商品を取りに行く。店を閉めて、配達専門に切り替えた人もいる。

■周りの人に感動、いつも通り朝8時から夜8時まで営業

 董社長は武漢市蔡甸区(Caidian)でスーパーを経営して10年になる。新型ウイルスの感染が発生後、董社長は店を閉めて休もうと考えた。ここは都市部と農村の境にあり、潜在的な感染者が多い地域で、安全が一番大切だと思ったからだ。

 しかし、近隣の住民からは「店は閉めないでくれ!買い物ができなくなってしまう!」と言われた。

 董社長は「ご近所の皆さんに心を打たれました。マスクを調達してほしいと村から依頼があった時、ある村民は『自分の手元に十数箱あるから使ってくれ』と無料で譲ってくれました。多くの若い配達員が感染の広がる中で、休まず続けてくれました。彼らが続けるのだから、私だって続けられると考え方を改め、店を閉めるのをやめました。1日に客が数人しかいなくても、朝8時から夜8時まで店を開けておくことにしたのです」という。