【1月15日 CNS】中国・情報通信研究院が先日発表したデータによると、2019年の携帯電話出荷台数は3億8900万台で、前年同期比6.2%減となった。17年以降、携帯電話の販売は3年連続で減少となり、メーカーは厳しい経営が続く。一方で、5G携帯電話が19年に初登場して1300万台を販売したことは、業界にとって新たな前進だ。19年の最後の2か月には、出荷量が500万台を超えた5G携帯電話が、経営を立て直す救いの星となることが期待されている。

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■減少幅は縮小、メーカーは4G投げ売りから5Gに転換

「前年同期比6.2%減」は、携帯電話市場が縮小を続けていることを表す。データによると、中国の携帯電話の出荷量は、16年に6億6000万台の史上最高を記録後、下り坂を下り続けている。17年は前年同期比で12.3%減、18年の減少幅はさらに拡大し15.6%減となった。これに比べ、19年の下げ幅は明らかに小さく、全体としては下がり方が緩やかとなってきている。

 過去3年間、縮小傾向にあった市場の中で、多くのメーカーは販売下落、シェア縮小の最悪の日々となった。業界の主役から引きずり降ろされ、撤退を余儀なくされたメーカーもあった。

 17年に2000万台を販売した「魅族(Meizu Technology)」は、18年に1000万台を下回り、大きく後退した。韓国サムスン電子(Samsung Electronics)はほとんど中国市場を失い、かつて勢いがあった「錘子(Smartisan)」も衰退の道をたどり、19年に破産。米国のアップル(Apple)にとって盤外の地である中国の携帯電話市場は、中国4大メーカーが激しく競い合うところとなった。

 市場分析会社のCanalysのデータによると、19年第3四半期における華為技術(ファーウェイ、Huawei)、小米集団(シャオミ、Xiaomi)、オッポ(OPPO)、vivoとアップルの5社合計のシェアは92%に達し、前年同期比3.3%増となり、市場集中度は一層増している。

■企業は5Gの販売に注力、年末の2か月で1000万台を出荷

 昨年末、各メーカーは5G携帯電話の出荷を加速した。19年12月に市場公開された携帯電話の新機種は35種に上り、その内、4Gが17種、5Gが11種だった。18年11月に市場公開された新機種は31種で、この内5Gは4種のみだったことをみると、5Gの機種が急激に増えていることが分かる。

 大まかな統計によると、中興(ZTE)とシャオミは今年、少なくとも10種の5G携帯電話を市場に投入、vivoは少なくとも5種の5G携帯電話を投入するという。アップルが今年販売する新製品5種の内、4種が5Gの機種だとする業界情報もある。

 情報通信研究院のデータでは、19年の中国国内の5G携帯電話の出荷量は1376万9000台、市場全体の中に占める割合は3.5%と小さいが、専門家が事前に予測した数をはるかに上回り、19年最後の2か月の販売が1000万台を超えた点は、関係者に自信をつけさせた。(c)CNS-新京報/JCM/AFPBB News