【11月14日 東方新報】北京市の小中学校や保育園などに食堂と給食を提供する会社で、食品安全を確実にする「陽光飲食」プロジェクトが完成した。全市の小中学校、保育機関で食品安全情報を公開し、厨房に設置されたカメラなどで食品加工の過程をアプリなどで監視、社会の各界から評価を受けることで、学校の食品安全を太陽の光のもとに明らかにすることが可能になったという。北京市市場監督管理局飲食サービス安全監督管理処の責任者が明らかにした。

 北京市では2017年から3年計画で陽光飲食プロジェクトがスタート。2017年内に500の小中学校食堂、保育・養老関連機関の食堂、3000の飲食企業で導入することを目標とし、2019年内には市内ほとんどの飲食店で導入される予定という。厨房に設置されたカメラ映像を、アプリを通じて消費者や飲食業協会の専門家、第三社評価機関関係者らが監視監督する。

 プロジェクトの完成前、北京市市場監督管理局と市教育委員会、衛生健康委員会などが共同で学校食品安全検査を8月から10月にかけて展開し、学校の食堂で使われている米、小麦粉、油、肉、卵、牛乳などの食材および調理器具、食器などのサンプル検査を行ったところ、1884件中合格率は99.9%となった。

 北京市以外の各地でも「陽光飲食」への取り組みは行われている。海南省(Hainan)では「陽光飲食」アプリを使った学校食堂の衛生状況や食材流通プロセスの管理監督を実施。「陽光飲食+スマート管理」という第三世代学校食堂管理モデルを打ち立てたとして、各方面から高評価を得ている。やはり食堂の厨房に設置された監視カメラをアプリを通じて保護者や市民か監視監督できるというもので、もしマスクや帽子をしていない調理人がいたり、厨房にねずみの走る姿を見付けたりすれば、指一本で通報できる仕組みになっている。

 海南省では10月の段階で、10か所の学校食堂と2か所の給食デリバリーサービス機関にこのシステムが導入され、年内には127か所の全学校食堂に陽光飲食アプリをつかったスマート管理を導入するほか、一般のレストランにも徐々に導入していきたい考えという。また安徽省(Anhui)蚌埠市(Bengbu)でも、学校食堂の厨房などに監視カメラを入れ、アプリを通じて保護者や市民が監視する陽光飲食アプリの普及を進めており、市が管轄する専門学校と幼稚園の食堂にはすでに導入が完了している。

 中国では学校食堂、給食サービスに使われる食材の品質が劣化したのもであったり、不衛生な環境で調理が行われたりしていたことがしばしば発覚し、なかには健康被害など引きおこす食品安全事件に発展した例もある。学校食堂・給食の品質保証は保護者たちの大きな関心事だった。

 監視カメラやアプリを使ったこうした陽光飲食プロジェクトが各地で進められることにより、学校食堂・給食関係者の意識が変わり、食品安全管理レベルが向上するだけでなく、保護者たちや市民たちが学校食堂・給食の安全工作に積極的に参与するという、相互監視の社会監督作用の効果を示す一つのモデルとしても注目されている。 (c)東方新報/AFPBB News