【10月1日 CNS】古代中国の思想家で儒教の創始者である孔子(Confucius)の生誕2570周年となる9月28日、福建省(Fujian)福州市(Fuzhou)と浙江省(Zhejiang)衢州市(Quzhou)で記念行事が催され、国内外から孔子を敬愛する多くの人が駆けつけた。

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 福州市では、文廟で孔子を祭るイベントが開催された。多くの伝統文化愛好家が集まり、漢民族の伝統衣装「漢服」を着て古代の儀式を行いながら、まるで数千年前にさかのぼったかのようにイベントを楽しんだ。

 市内在住の鍾新蘭(Zhong Xinlan)さんは、漢服を着た5歳の娘と参加。鐘さんは中国の古典が好きで、子どもに古典の絵本を読み聞かせているという。「子どもに幼い頃から中国古典や儒家文化に触れてもらい、好きになってくれることを願っています。将来、より深く学び、実践できるように」と話した。

 衢州市では、孔氏をまつる南宗家廟(びょう)で行事が行われ、廟の外では子どもたちが道路の両側に整然と並び、「朋有り遠方より来たる、亦た楽しからずや」と「論語」の一節を詠んだ。

 式典が始まると、司祭たちがゆっくりと大成殿に入り、孔子の像に五穀と文房四宝を供えた。文房四宝は書斎に必要な四つの宝物で、筆、墨、紙、硯(すずり)を指す。その後、「大道の行いである。才能のある人と能力のある人を選び、天下の公共のために尽くすことである。正しい解釈により仲睦まじく学び…」と論語の一部を朗読し、最後に、孔子が礼に関する書物「礼記」の中で伝えたとされる詩「大同頌」を全員で斉唱した。

 式典には国際儒学連合会(International Confucian Association)、中国孔子基金会、孔廟の代表者、孔氏一族の代表者のほか、ドイツ、日本、韓国など11か国の孔子学院の代表者、留学生らも参加した。(c)CNS/JCM/AFPBB News