【10月11日 CNS】小さな「盲盒(ブラインドボックス、Blind Box)」といわれるフィギュアが人気だ。愛好者はブラインドボックスだけで年間数百万円のお金をつぎ込む。ものによってはこの「盲盒」の玩具が、中古品市場で定価の数十倍の高値で売れるという。

【関連記事】「履くもの」ではなく「売るもの」 中国で過熱するスニーカー投資

「ブラインドボックス」とは読んで字のごとし、購入前の時点では密封された箱の中に何が入っているか分からない。現在市場で売られているブラインドボックスの価格帯は40元~70元(約610円~1100円)で、単価としては高くないものの、ものによっては中古市場で驚くほどの高値を付ける。

 ポップマート(POP Mart)が販売する「潘神(Satyr Rory)」シリーズのフィギュアを例でいうと、1セットにはベース品12種を含み、加えてシークレット品と言われる「おまけ」が入っている可能性もあるが、確率は極めて低いので、シークレット品の中古品市場での価格が跳ね上がる原因となる。

 中古品取引アプリ「閑魚(Xianyu)」の統計によると、「潘神」シリーズのシークレット品は値上がりが激しく、通常価格59元(約900円)に対し、「閑魚」での売価は2350元(約3万6000円)で約39倍となっている。また、「Molly」シリーズのシークレット品の場合、定価59元に対し「閑魚」の平均売価は1350元(約2万500円)、約22倍だ。現在、「閑魚」には2999元(約4万6000円)の売価を付けたシークレット品もあり、50倍だ。

 ビジネスとしてはマイナーに見える「ブラインドボックス」だが、今や相当な規模の市場だ。昨年1年間で「閑魚」アプリ上で30万人が「ブラインドボックス」の取引を行い、販売数量は前年比320%増となっている。

「ブラインドボックス」は子どもが駄菓子を買ってカード集めをすることに似ている。友達が集めていて、自分だけ持っていなければ格好がつかないので、競い合って買い、くじを引く。おもちゃの収集やくじ引きが大好きなのは、青少年に限ったことではない。いい歳をした大人も十分に資格ありだ。(c)CNS/JCM/AFPBB News