【12月27日 AFP】2018年の男子テニスは、新世代の旗手アレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)がシーズン最終戦のATPワールドツアー・ファイナルズ(ATP World Tour Finals 2018)で優勝し、新時代到来の可能性を示したものの、全体としては全盛期の力を取り戻したノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)に象徴されるように、年齢を重ねた「いつもの顔ぶれ」がまたしても席巻した一年となった。

 ここ10年で初めてトップ10から陥落し、慢性的な痛みを抱える肘にメスを入れたジョコビッチは、前半戦は全仏オープンテニス(French Open 2018)で中堅のマルコ・チェッキナート(Marco Cecchinato、イタリア)に敗れるなど、らしくない負けを繰り返し、6月には順位が22位にまで下降した。

 ところが、そこからの数か月で無敵の強さを誇った全盛期の姿を取り戻し、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2018)と全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2018)を制すと、これまでなかなか優勝に手の届かなかったウェスタン&サザンオープン(Western and Southern Open 2018)も優勝し、歴史的なマスターズ1000(ATP World Tour Masters 1000)全制覇も達成した。

 ランク1位への返り咲きについて、ジョコビッチは「ずっと頭のどこかで、自分なら復活できると信じていたし、不可能だとはまったく思わなかった」「そして結果としては、四大大会(グランドスラム)を二つ取れて、これ以上ない5か月になった」と話している。

 ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)も年齢を感じさせないプレーを続け、全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2018)で優勝を飾ると、アンドレ・アガシ(Andre Agassi)氏を上回る史上最年長36歳でのランク1位も経験した。そして現在は、新シーズンの全豪でのキャリア通算100勝到達も視界に入っている。

 ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)も、例年通りクレーでは無類の強さを発揮し、11回目の全仏制覇を果たした。その一方でけがに苦しむのも変わらず、グランドスラム2大会で途中棄権に終わった後もコンディションの問題に悩まされ、シーズンを最後まで全うすることができなかった。出場したのは2003年以降では最少となる9大会。それでもそのうち5大会でタイトルを獲得し、45勝4敗と圧倒的な成績を残した。