【12月13日 Xinhua News】中国国家統計局は今年11月のCPI(消費者物価指数)とPPI(生産者物価指数)を発表した。11月のCPIの前年同期比上昇率は2.2%だった。5カ月連続で「2時代」にあるものの、上昇率は顕著に落ち込んだ。専門家は、CPIは安定の中でやや低下し、国際原油価格の低迷も重なり、通年のCPI上昇率は3%のコントロール目標内に抑えられ、中長期的なインフレ予想も弱まるもようだとの見方を示した。経済参考報が伝えた。

 「11月のCPIの前年比上昇率は0.3ポイント減の2.2%となり、市場予測値の平均の2.4%をはるかに下回った」。招商証券の張一平(Zhang Yiping)マクロアナリストはこう述べた。張氏によると、11月の新たな値上げ要因の寄与率は1.9%で前月よりやや低下した。

 一方、中国銀行国際金融研究所の李赫(Li He)研究員は「野菜の十分な供給や豚肉需要の低迷を受け、CPIは安定の中で低下した」と述べた。李研究員によると、11月のCPI前月比上昇率は前月の0.2%からマイナス0.3%に落ち込んだ。うち、食品価格は1.2%減でCPI低下の主因。初冬の野菜供給が十分で、生鮮野菜の価格は12.3%減で、CPIを約0.33ポイント低下させた。需要の閑散期で豚肉価格は低迷、同価格は0.6%減。卵供給が日増しに十分になり、卵価格は0.2%下がり、卵の値下げが大きな流れになるとみられる。

 同研究員によると、食料品以外では、国際原油価格の急落により、国内のガソリン価格は4.9%減、ディーゼルオイルは5.2%減となり、合計でCPIを約0.12ポイント押し下げた。

 11月のCPIはこれまでの判断を裏付け、年内のCPIの前年同期比上昇率は低下傾向にあり、通年の上昇率は3%以内に抑えられるというのが業界の大方の見方だ。

 李研究員によると、通年のCPI上昇率は2.2%となり、来年上半期のインフレは予想を下回る。モルガンスタンレー華鑫証券の章俊(Zhang Jun)チーフエコノミストも取材では、豚肉需給はほぼ安定化し、住民食品構造の多元化や豚肉のCPIに対する影響力の持続的な低下もあり、豚肉価格が来年のインフレを押し上げる公算は大きくないと語った。

 章氏はまた、「来年の世界経済は鈍化が続き、需要低迷は原油の需要を抑える。さらに、米国とOPEC(石油輸出国機構)の供給が十分で、原油価格の安定化は輸入性インフレリスクが比較的低いことを意味している。全体的にみれば、物価は来年の金融政策の制約要素になることはない」と語った。(c)Xinhua News/AFPBB News