【11月30日 AFP】スペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)を率いるサンティアゴ・ソラーリ(Santiago Solari)監督は、イスコ(Isco Alarcon)のメンバー落ちについて「戦術的な決定で、他の何でもない」とより良くなったかのような発言を残したが、同クラブで初めて直面した面倒な問題をあおるだけになった。

 仮に負傷していたとしたら、勝利を挙げた欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2018-19)のASローマ(AS Roma)戦でイスコがベンチにも座っていなかったことに意識が向くようなことはほとんどなかっただろう。しかし、ソラーリ監督の戦術的な決定はより深い何かを指し示している。

 指揮官は、就任後の5試合すべてでイスコを先発メンバーから外したが、そのうちレアル・バジャドリード(Real Valladolid)戦、ヴィクトリア・プルゼニ(Viktoria Plzen)戦、SDエイバル(SD Eibar)戦の3試合では同選手を途中から起用している。

 そして敵地でのローマ戦でイスコはベンチに座ることさえ許されず登録メンバーから外されており、20歳のフェデリコ・バルベルデ(Federico Valverde)や21歳のハビ・サンチェス(Javi Sanchez)、22歳のダニ・セバージョス(Dani Ceballos)といった若手よりも低い序列になった。

 イスコは9月末に虫垂炎の手術を行ったが、予想されていた復帰までの期間はわずか1か月だった。

 イスコはレアルでジネディーヌ・ジダン(Zinedine Zidane)元監督から軽視されていたが、フレン・ロペテギ(Julen Lopetegui)前監督には忠誠を示しており、ロペテギ氏もまたスペイン代表でイスコを信頼していた。

 先月、ロペテギ前監督が解任の危機に陥っていた際、イスコは「監督を解雇するなら、チーム全体の首を切るべきだ」とコメントしていたが、キャプテンのセルヒオ・ラモス(Sergio Ramos)はすぐにこの内容を非難していた。

 ソラーリ監督は、ロペテギ政権下での低迷の原因だったとも考えられているうぬぼれのようなものを、イスコのコメントから感じ取ったともと言われている。しかし、そういった兆候はイタリアでは見られなかった。

 ソラーリ監督は「戦術的な決定で、他の何でもない。サッカーには先発も控えも保証はない。100パーセントの状態になること、指揮官に選ばれるようになることは全て選手次第だ」とコメントしている。

 恐らく、ロペテギ前監督の解任はイスコに最も打撃を与えただろう。ようやくレアルで信頼を置いてくれる指揮官に巡り会えたと感じていたかもしれないが、ソラーリ監督の就任によりベンチに戻されることになった。

 その今後が不確かな状況になった場合でも、イスコは引く手あまたで、マンチェスター・シティ(Manchester City)やユベントス(Juventus)、リバプール(Liverpool FC)に加え、昨年9月の契約更新前にはFCバルセロナ(FC Barcelona)が獲得を狙おうとしたとも報じられている。(c)AFP/Thomas ALLNUTT