【11月15日 東方新報】肉類加工販売大手の上場企業である「雛鷹農牧(Chuying Agro-Pastorial Group)」は、以下の公告を掲示した。

「アフリカ豚コレラ発生による封鎖、輸送禁止などの影響により、弊社の飼育中の豚を短期間内に現金化することは困難である。製品在庫を活かし、キャッシュフローの困難な局面を打開するため、債務の返済方法をリスケジュールする。元本は主としてキャッシュ延べ払いとし、利息部分はハム製品などで現物返済し、債務の範囲は弊社の既存のすべての債務とする」

 これに先立ち、著名ブロガー「山石財経」は、ブログに「『雛鷹農牧』が債務解決案として在庫商品を現物返済する。子会社のギフト、ハム、赤ワインなどを含む商品を小売価格の85%で換算し、元本は10年間毎月分割返済する」とする記事を転載したところ、大騒ぎとなった。A株の上場会社が初めて「肉で借金を返済する」事件となったのだ。

 かつて「養豚トップ企業」として栄光に輝いた「雛鷹農牧」の業績は低迷を続けている。債務不履行やオーナーの所有株式差し押さえ、信用等級の降級などの事件が相継ぎ、株価はピーク時の69.92元(約1146円)から1元(約16.4円)台へと落ち込んでいる。

 巨額の債務を抱えた「雛鷹農牧」はどこに向かおうとしているのだろうか?

■債務不履行でブラックリストに

「雛鷹農牧」の実質的オーナーである侯建芳(Hou Jianfang)氏の資金危機は今年7月に明るみになった。

「雛鷹農牧」は7月23日に公告を掲示、侯氏が所有する同社株式12億3600万株が上海市浦東新区人民法院により差し押さえられたことを伝えた。遠東宏信(天津)融資租賃(Yuandong Hongxin)が上海華瑞銀行(Shanghai Huarui Bank)からの借入金で、侯氏は連帯責任を負っていたが、6月の返済期限に当期の元本と利息を返済しなかったためだ。

 この後、深セン(Shenzhen)前海合作区人民法院、鄭州市(Zhengzhou)中級人民法院、山東省(Shandong)高級人民法院、四川省(Sichuan)高級人民法院など各地の裁判所から相次いで差し押さえられた。