【8月28日 東方新報】インスタントラーメンは今からちょうど60年前の1958年8月25日、日清食品創業者の安藤百福氏によって生み出された。その60年後となった今月21日、中国食品メーカーの今麦郎面品(Jinmailang Mianpin)は、東京で即席麺の「老範家速食面館面」を発表した。麺を蒸した後に煮る独自の製法を採用し、「インスタントラーメン2.0」と評されている。

 中国メーカーが即席麺を日本で発表する背景には、業界の強い危機感がある。商品改良を積み重ね、一部の消費者のつなぎ止めには成功しているものの、出前サービスの猛攻の前に、業界がどうやって成長していくかは、各社共通の課題となっている。中国のインスタントラーメン消費は2013年を境に、低迷が続いている。17年以降は回復の兆しもみられるが、各メーカーは出前アプリの攻勢に相当な危機感を抱いている。今麦郎面品は、新商品を日本で発表し、海外市場を視野に入れ始めた。

 今麦郎面品の範現国(Fan Xianguo)董事長は、「消費者の今のニーズを超えたものを生み出さないといけない。イノベーションを起こす必要性を痛切に感じている」と述べた。

 この数年、中国の即席麺メーカーは5〜10元(約80〜170円)の高価格帯商品を売り出し、人気の回復を図ってきた。スーパーでは「5袋セット」などのまとめ買い用商品の売り場が大きく減る一方、高価格帯商品のスペースが増えている。

 最近では、レストランで食べるような野菜たっぷりの商品や、生タイプの麺の新商品が増えている。

 世界ラーメン協会(World Instant Noodles Association)によると、中国の即席麺の年間販売量は11年の424億7000万袋から2013年に462億2000万袋に増えた。しかし、その後は減少が始まり、16年には385億2000万袋まで減った。17年は389億7000万袋で下げ止まったが、ピーク期の水準を回復するのは難しい。(c)東方新報/AFPBB News