【8月19日 CNS】中国郵政(China Post)は今月、2019年のえとをデザインした切手を発表した。2頭の大きな豚(「亥(い)年」は中国では豚)に子豚が3頭。一部メディアは、これは中国が「三人っ子政策」開放する予兆ではないかと噂している。

 もちろん、切手のデザインのみで今後の政策を予想することは難しいが、これまでさまざまな出産・育児政策を打ち出し、16年には全面的な「二人っ子政策」に踏み切り、徐々に開放を始めている。子育ての補助政策も増え、政府による奨励策は全国の都市、農村に広く浸透しつつある。

■現状に焦る政府?

 焦りとも取れる政府の出産・育児奨励政策は現状の出生率に関係している。

 統計によると、2000年から現在までの出生率は、長らく1.5~1.6人を維持している。これは深刻な「少子化」問題だと言える。

 出生率の低下によって最も懸念される問題は、高齢者の扶養、すなわち年金の問題だ。17年の中国全土の年金保険の加入者は3億5300万人で、うち2億5900万人が在職者。すでに年金が支払われている9460万人に対し、年金による扶養率は2.73:1。高齢者一人を2.73人で扶養する計算だ。

 また、中国の生産年齢人口(15歳以上60歳未満)は、10年のピーク時から減少し続けている。

 中国社会科学院(Chinese Academy of Social Sciences)の蔡昉(Cai Fang)副院長は、「中国の人口によるメリットは、もうすでにない。労働力が不足すれば、企業の投下資本利益率が低下し、それによって労働者の社会保険などにも大きな影響を及ぼすからだ」と話す。