【8月11日 東方新報】「うわーん」。突然の泣き声を耳にした母親の王蕾さんが慌てて駆けつけると、1歳半の子どもが地面に寝そべって泣きじゃくり、その横で5歳の長男がほうけている。よくある兄弟げんかの一幕だ。

 割って入ってきた王さんの母は、「そんなに強い力で弟を殴って!殺す気なの?」と長男を叱ると、今度は長男が泣き出した。

「お母さん!子どもに何て言い方するの?」と、今度は王さんと母の間でけんかが始まり、最後はその争いを見て子どもたちが驚いて泣き出した。

 それから数日、王さんと母の間に会話はない。誰もしゃべろうとせず、家の雰囲気は最悪だそうだ。

 こうした光景は、中国の高齢者にとってすでに日常になっているようだ。孫の世話をするために、引退後の生活でも落ち着くことができない。老人が小さな子どもと一緒にいる光景は、中国家庭独特の現象になっている。

■「流動人口」の7%が「孫の世話をするため」

 国家衛生健康委員会の統計によると、本籍地からそれ以外への地域へと動く流動人口は現在、中国全土で約2億4000万人いるとされ、うち全体の7.2%に当たる約1800万人の高齢者が子どもたちと共に別都市に移り住んでおり、その理由の約43%が「孫の世話をするため」だとしている。

「二人っ子政策」時代が到来し、こうした高齢者が増え、責任やリスクなどのストレスを抱え、高齢者はさらに大変になっていくだろう。