【7月11日 CNS】中国・広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)南寧(Nanning)税関は8日、管轄内の東興(Dongxing)税関で密輸された廃棄電子基板を摘発し、廃棄電子基板12.95トンと輸送車両1台を押収した。

 廃棄電子基板は中国で「洋ゴミ」と呼ばれ、禁止されている輸入物品だ。今回の摘発時、廃棄電子基板は発泡スチロールの箱に入れられ、外側は各種のプラスチック袋で何重にも包装され、物流ルートで東興を出るところだった。

 税関の密輸取締係官は、「密輸入されてきたものが東興から搬出される」との通報が住民からあり、係官を派遣して廃棄物を載せた車両を突き止めたとしている。検査の結果、この貨物はすべて廃棄電子基板で、中には外国語や数字のラベルが貼ってあるものもあった。

 経済発展により、一部の国は高額の処理費用と環境汚染を回避するため、廃棄基板などを含む「洋ゴミ」を発展途上国に移送しており、非合法に「洋ゴミ」を購入し、加工し直して販売し利益を得ている者もいる。

 南寧税関の担当者は、「廃棄電子基板などの電子ゴミは成分が複雑で、水銀やニッケルなどの有毒化学物質を含んでおり、回収して再利用することはできない。有毒物質は自然条件の下では分解されることはなく、土壤や水源、空気などの汚染につながる」と話す。

 南寧税関は、今年に入ってから、税関を設置していない地域での密輸取り締まり強化に伴い、東興の国境地区への密輸入は顕著に減少しているが、「犯罪者は絶えず手法を変えて切り抜けようとしており、特に物流ルートによる密輸入案件が増加傾向にある」として注意を促している。(c)CNS/JCM/AFPBB News