【7月11日 AFP】2017年に中国人実業家に買収された後も、その資金繰りで混乱が続いていたイタリア・セリエAのACミラン(AC Milan)は、中国人オーナーのリー・ヨンホン(Li Yonghong)氏が支払期限までに負債を返済できなかったことで、所有権が今週中にも貸主の米ヘッジファンドへ移る見込みとなった。

 リー氏は米ヘッジファンドのエリオット・マネジメント(Elliott Management)から資金を借り入れ、総額1億2000万ユーロ(約156億円)の増資を2回に分けて行った。そのうち返済がまだだった3200万ユーロ(約42億円)の支払期限は6日までだったが、リー氏はこれを払えず、そのため今後はエリオット社がミランを支配下に収めることになった。

 関係筋によれば、エリオット社は9日に保有権取得の法的手続きを始めており、12日に理事会の会合を開いて株主総会の日取りと議題を決めるという。総会はそこから8日以内に開催される予定で、その場で新たな理事が選出される。

 リー氏が持っていた過半数の株式がエリオット社へ移るのに合わせて、現在の理事会を構成する中国人役員は退陣する。代わって理事を務めるのは、エリオット社の代表者になる可能性が高い。

 伊紙コリエレ・デロ・スポルト(Corriere dello Sport)の10日の報道によると、エリオット社はミランをすぐに売却するのではなく、資産の一つとして保有する意思を持っているという。

 クラブのレジェンドであるパオロ・マルディーニ(Paolo Maldini)氏が新経営陣に加わるとの報道も出ており、さらに元取締役のウンベルト・ガンディーニ(Umberto Gandini)氏が2季ぶりにASローマ(AS Roma)から復帰し、ローマでも務めた最高経営責任者(CEO)に就任する可能性も取りざたされている。(c)AFP/Terry DALEY