【6月15日 AFP】サッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)ではリオネル・メッシ(Lionel Messi)やクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)、ネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)が歴史に名を刻もうとしているが、数十億人が見守る舞台は、新たな世代がその才能を見せつける最高のステージだ。

 AFPはロシアでブレークが見込まれる5選手を紹介する。

■イルビング・ロサノ(メキシコ代表)

 気性は荒いが計り知れない才能を持つイルビング・ロサノ(Hirving Lozano)は、これまでの中南米出身のスターたちの後を追い、オランダで欧州デビューを飾った。エールディビジ制覇を飾ったPSVアイントホーフェン(PSV Eindhoven)で海外デビューしたロサノは、出場29試合で17得点を記録。その能力と性格からルイス・スアレス(Luis Suarez)と比較されており、欧州のビッグクラブの警戒対象となっている。注目を一身に集める才能を持つロサノは、CFパチューカ(CF Pachuca)でのプロデビュー戦で決勝点をマーク。PSVでのデビュー戦ではわずか30分でゴールネットを揺らした。成熟が待たれる22歳の「チャッキー(Chucky)」に対しては、メキシコを率いるフアン・カルロス・オソリオ(Juan Carlos Osorio)監督も大きな期待を寄せている。

■ゴンサロ・ゲデス(ポルトガル代表)

 2017-18シーズンは層の厚いパリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)からバレンシア(Valencia CF)にローン移籍したゴンサロ・ゲデス(Goncalo Guedes)は、欧州予選ではわずか1分しかプレーしていない。フランスで短い不遇の期間を過ごしたゲデスは、スペインですぐに輝きを放ち代表メンバーに滑り込んだ。5得点11アシストを記録してバレンシアの欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2018-19)出場権獲得に貢献した21歳は、本大会前最後の試合となったアルジェリア戦で2得点を記録し、ロシアでは先発起用の可能性も高まっている。ゲデスはパワフルでドリブルでもパスでも相手ディフェンスを切り裂くことができる。

■ティモ・ヴェルナー(ドイツ代表)

 ドイツの歴代最多得点記録を持つミロスラフ・クローゼ(Miroslav Klose)氏の後継者と目されているティモ・ヴェルナー(Timo Werner)は、すでにブンデスリーガで多くの経験を積んでおり、大舞台でも結果を残してきた。ドイツが優勝した昨年のコンフェデレーションズカップ(Confederations Cup 2017)で得点王に輝いたヴェルナーは、2017年3月の代表デビュー以来12試合で7得点を記録しており、今後10年間代表チームの主役を担うものと見られている。100メートルを11秒1で走る爆発的なスピードを備えるRBライプツィヒ(RB Leipzig)のFWは、カウンターで常に相手にとって脅威となる。ドイツがロシアで勝ち進めば、ヴェルナーの大会得点王の芽も出てくる。

■サルダル・アズムン(イラン代表)

 イラン代表として得点を積み上げているサルダル・アズムン(Sardar Azmoun)は、出場わずか32試合で23得点をマークしている。すでにイランの歴代5位の得点数を記録している23歳は、サッカーに専念するまでは期待のバレーボール選手でもあり、その運動能力と加速力を存分に発揮している。2013年にルビン・カザニ(FC Rubin Kazan)と契約したアズムンは、過去にアーセナル(Arsenal)やリバプール(Liverpool FC)が関心を持っていたと報じられているが、今でもロシアでプレーしている。アズムンとアジア人選手で初めてエールディビジ得点王に輝いたアリレザ・ジャハンバフシュ(Alireza Jahanbakhsh)がユニットを組むイランは、ポルトガルとスペインという強豪と同組のグループリーグの突破に挑む。

■ハキム・ツィエク(モロッコ代表)

 年代別のオランダ代表に招集された経験を持つハキム・ツィエク(Hakim Ziyech)は、2015年にルーツを持つモロッコ代表を選択。この決断はオランダのレジェンド、マルコ・ファン・バステン(Marco van Basten)氏から批判されたが、ツィエクはモロッコを20年ぶりの本大会出場に導いた。相手を切り裂く器用さを持つ攻撃的MFは、過小評価されているモロッコの中心を担っており、代表では15試合で8得点をマークするなどゴールの嗅覚も備えている。FCトウェンテ・エンスヘーデ(FC Twente Enschede)で素晴らしい2シーズンを過ごし、2016年にアヤックス(Ajax)に移籍した25歳のツィエクは、新たなチャレンジに踏み出そうとしており、ロシアでその価値を証明したいと切望している。(c)AFP/Martyn WOOD