【6月14日 AFP】今シーズンのサッカー欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2017-18)を基準に考えるなら、間もなく始まるW杯ロシア大会(2018 World Cup)は、得点シーンが何度も見られる大会になるかもしれない。今回のロシアには、守備のミスを見逃さないストライカーたちが数多く集結している。

 スピードのあるFWや、果敢なオーバーラップを持ち味とするSBを軸にしながら、勢いをもって攻めるチームが増えていることを考えれば、最高レベルの決めきる力を持った強豪国のストライカーたちは、舌なめずりをして開幕を待っているはずだ。ここでは、上位進出が期待されるチームの中から大会で猛威を振るいそうなゴール前のハンター5人を紹介する。

■ティモ・ヴェルナー/ドイツ

 ミロスラフ・クローゼ(Miroslav Klose)氏の代表引退で生まれた穴をしばらく埋めきれずにいたドイツだが、RBライプツィヒ(RB Leipzig)のティモ・ヴェルナー(Timo Werner)のブレークで、その穴は埋まりつつあるようにみえる。電光石火のスピードとゴール前での落ち着きを併せ持つヴェルナーは、今季ライプツィヒで公式戦21ゴールを記録。22歳のストライカーは、自身初のW杯でインパクトを残すことを狙っている。

■ガブリエウ・ジェズス/ブラジル

 FWのポジションに関しては才能の枯渇とは無縁のブラジルで、今大会、最前線からチームをけん引するとみられるのが、ペナルティーエリア付近での決定力と思考のスピード、そして敏しょう性を兼ね備えたマンチェスター・シティ(Manchester City)のガブリエウ・ジェズス(Gabriel Jesus)だ。1月に膝を負傷したのはシティにとっては痛手だったが、ブラジル代表としては朗報だったかもしれない。脚を残してグループEの戦いに臨むジェズスが、ロシアの地で輝きを放つ可能性は高い。

■ハリー・ケイン/イングランド

 5月にイングランド代表の主将に正式に指名されたハリー・ケイン(Harry Kane)は、ギャレス・サウスゲイト(Gareth Southgate)監督率いるチームで唯一と言っていい、真のワールドクラスのストライカーだ。所属するトッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)では今季のチャンピオンズリーグで7戦7発と、最高峰の舞台でも結果を残せることを証明。イングランドもゴール前までボールを運べれば、最後はケインが仕上げてくれるはずだ。

■クリスティアーノ・ロナウド/ポルトガル

 ドリブルで相手を何人も抜き去る日々は過去のものになったかもしれないが、ポルトガル代表のエースであるクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)は、所属するレアル・マドリード(Real Madrid)で純然たるストライカーとして第二の最盛期を迎えている。正確な両脚と、驚くべき空中戦の強さを武器とする33歳は、今季もレアルでゴールを量産してW杯に向かう。本人も、これまでの輝かしい実績にW杯得点王のタイトルをぜひ加えたいと思っているはずだ。

■イアゴ・アスパス/スペイン

 スペイン代表の先発FW争いでは、これまでジエゴ・コスタ(Diego da Silva Costa)が1番手とみられてきたが、ここにきて大きくアピールしているのがイアゴ・アスパス(Iago Aspas)だ。今季セルタ(Celta de Vigo)で充実のシーズンを送ったアスパスは、前週のチュニジアとの親善試合でも決勝ゴールをマーク。裏への素早い抜け出しと、ペナルティーエリア付近での冷静さを武器とするアスパスは、チームのポゼッションサッカーが行き詰った際、ダイレクトな攻撃という別の選択肢をチームにもたらす。チャンスを与えられれば、火を噴く可能性は十分にある選手だ。(c)AFP/Thomas ALLNUTT