【4月21日 AFP】独銀行最大手ドイツ銀行(Deutsche Bank)は20日、日常業務の中で誤って同行の時価総額を上回る280億ユーロ(約3兆7000億円)もの巨額の送金を行っていたことを認めた。

 同行の広報担当者がAFPに明らかにしたによると、3月16日、同行がドイツ取引所(Deutsche Boerse)のデリバティブ(金融派生商品)部門ユーレックス(Eurex)の清算・決済用の口座に送金する際に空前の誤操作が起きたという。

 本来の送金予定額は明らかにされていないが、実際に送金された金額よりかなり少ないという。会計処理の誤りは毎日のように起きているとはいえ、今回の送金額は同行の時価総額240億ユーロ(約3兆2000億円)さえ上回る極めて異常なものだ。

 同行によるとジョン・クライアン(John Cryan)最高経営責任者(CEO)退任の直前に発生したこの誤送金はすぐに解決し、実害はなかった。だがクライアン氏が就任した2016年以降、大幅に改善したはずの同行のリスク管理に対する疑念が生じている。(c)AFP