【4月6日 AFP】サッカーヨーロッパリーグ(UEFA Europa League 2017-18)は5日、準々決勝第1戦が行われ、アーセナル(Arsenal)は4-1でCSKAモスクワ(CSKA Moscow)に大勝し、4強入りに向けて大きく前進。チームは前半だけでアーロン・ラムジー(Aaron Ramsey)とアレクサンドレ・ラカゼット(Alexandre Lacazette)が2ゴールずつ決め、早々に最近の不調を追い払うとCSKAの追随を許さなかった。

 アーセナルのアーセン・ベンゲル(Arsene Wenger)監督は試合後、「前半は速いペースで素晴らしかった。しかし、危ういところもあったので、私としては不満も残った」とすると、「前半にゴールを量産してハーフタイムに突入できた。4-1の展開となり、これ以上の失点を許さないことと、もう1点追加することが目標だった」と述べた。「最初の仕事はやり遂げたが、まだ2戦目が残っている。しかし、これで完全に第2戦に集中できるし、重圧を感じながら敵地に乗り込むことはない」

 イングランド南西部ソールズベリー(Salisbury)で先月、ロシア人の元二重スパイ、セルゲイ・スクリパリ(Sergei Skripal)氏と娘のユリア(Yulia Skripal)さんが神経剤で襲撃された事件を受け、英国が高官級でのロシア側との接触を停止するなど、両国の外交関係が冷え切った中で行われた一戦には、政治的緊張の大きな影が落とされることが懸念されたが、この日アーセナルの本拠地に乗り込んできたCSKAファンは約200人のみで、流血事件などが起きることはなかった。

 次週ロシアの首都で行われる第2戦では、より冷たい雰囲気がアーセナルのファンと選手を待ち受けていることが予想されるが、CSKAのヴィクトル・ゴンチャレンコ(Viktor Goncharenko)監督は、ガナーズ(Gunners、アーセナルの愛称)ファンに協力を呼び掛けると同時に、「君たちをモスクワに歓迎する。スタジアムの安全と素晴らしいサッカーを保障する」と述べ、イングランドのファンに対して今年6月に開催されるW杯ロシア大会(2018 World Cup)に足を運ぶよう勧めている。

 一方、シーズンの最後に有終の美を飾りたいアーセナルが倒さなければならない相手にもなり得る優勝候補のアトレティコ・マドリード(Atletico de Madrid)は、スポルティング・リスボン(Sporting Lisbon)に2-0で快勝した。

 スペインの首都マドリードで行われた第1戦で、2011-12シーズン覇者のアトレティコは試合開始からわずか22秒でコケ(Jorge Resurreccion Merodio ''Koke'')が先制点を決めると、アントワーヌ・グリーズマン(Antoine Griezmann)も今季24得点目を記録し、7シーズン目を迎えるディエゴ・シメオネ(Diego Simeone)監督の政権下で通算5回目の欧州カップ戦4強入りに王手をかけた。

 この他の準々決勝では、ラツィオ(SS Lazio)が4-2でレッドブル・ザルツブルク(Red Bull Salzburg)との乱打戦に勝利。ドイツ代表のティモ・ヴェルナー(Timo Werner)が唯一の得点を記録したRBライプツィヒ(RB Leipzig)も、オリンピック・マルセイユ(Olympique de Marseille)を1-0で退け、この日はいずれもホームチームが先勝して第2戦に向けて優位に立った。(c)AFP/Kieran CANNING